第3章 光と闇
「それ、本気で言ってんのカラ松?」
おそ松の、静かだが、
かすかに怒気を含んだ声が聞こえた。
「あぁ、本気だ。皆、聞いてくれ。」
カラ松は一息入れた後で
「彼女の面倒は俺が見る。
彼女に一目惚れしたみたいだ・・・・・
だから、許して欲しい。」
カラ松は一気に言い切った。
「ちょ、ちょっと。
素性もわからないのに危ないよ!」
「カラ松兄さん大丈夫すか?」
「僕は、あんまり賛同出来ないけど・・・・・」
上から、チョロ松、十四松、トド松と続く。
「とりあえず、彼女の目が覚めるまで
分からないだろう?
頼む・・・・・。」
カラ松は引くことはしなかった。
「じゃあ、彼女が敵だと分かったら・・・・・
処分する覚悟もあるんだな?」
おそ松の目は真剣だった。
カラ松は一瞬瞳を揺らしたが、
「その時は、俺が・・・・・
彼女を殺す・・・・・。だから、
誰も手出ししないでくれ。」
それだけを言い残し、
再びゲストルームへ足を運ぶ。
彼女の顔が無性に見たくなった。
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「カラ松兄さん、本気みたいすねー
僕も顔が見てみたいな。」
「十四松、今、カラ松追いかけたら殺されるぞ。」
おそ松が微笑しながら言う。
「おそ松兄さん。
彼女って敵なの?、一般人じゃないの?」
「さぁ、わかんないねぇトド松・・・・・
でも、俺も次兄の恋は応援したいと思ってるよ。
こんな殺伐とした暮らしじゃん?
少しは・・・・・ね。」
おそ松が言うと、チョロ松が遮る様に、
「僕は反対だよ・・・・・
なんか嫌な予感しかしないよ・・・・・。」
ただでさえ下がり気味の眉を、
さらに下げて言った。
「ま、落ち着けよチョロ松。
カラ松に任せようぜ、
今の所、それしかないだろ?
ナイフの照合もまだみたいだしさ。」
「それは・・・・・、
あの中型ナイフ、一本じゃどこのデータベースにも
ヒットしないんだよ。
やっぱり2本なんじゃないかなぁ・・・・・。」
「それも含めて、彼女のことは保留ってことで・・・・・
皆、分かったな?」
おそ松が弟達に問いかけると、
皆、分かったと頷いた。