第30章 相葉 ルーム 6
~ 櫻井side ~
急いで家に帰って 気分を落ち着かせようにも 、あのVTRが頭の中をぐるぐる回る 。
「 はぁ ... 」
だんだん腹が立ってきて 、髪をぐしゃぐしゃと掻き乱す 。
ピンポーン
誰だよ ... こんな時間に ...
画面を見ると 、そこには雅紀が映っていた 。
相「 あ 、翔ちゃん!?俺 俺!」
「 え 、あ 、雅紀!?」
オレオレ詐欺かよ ...
そう思いつつ 扉を開けた 。
どうやら雅紀は 、俺の様子がおかしいことに気付いて家まで来たらしい 。
雅紀らしいよな ...
とりあえずビールを渡し 、並んで座る 。
相「 ... で 、何があったの ? 」
雅紀の真っ直ぐな視線に 、俺は誤魔化すこともできず 、全て正直に話してしまった 。
相「 ごめんね ... 」
まぁ ... そうだよな ... 、同じグループ 、しかも男同士なんて ありえないよな ...
相「 全然気付いてあげられなくて ... 」
え ... ?
相「 俺も翔ちゃんのこと好きだよ ? 」
「 でもそれって ... 」
相「 うん ... 、メンバーとして 、とか 、人として かもしれない 。今のところは 」
今のところは ?
相「 ねぇ 、俺と付き合ってよ 」
は ?
相「 今はまだ 、そんな程度かもしれないけど 、ちゃんと付き合ったら 違う好きになるかもしれないよ ? 」
なんか ... 、雅紀の言うことって 説得力あるんだよな ...
「 えと ... 、じゃあ 、お願いします ... 」
相「 ふふ 、そう来なくちゃ ♪ 」
雅紀は嬉しそうにそう言うと 、いきなり俺を抱き締めた 。
「 うわ っ!」
相「 翔ちゃん 、よろしくね のチューは ? 」
前言撤回 。
説得力あるなんて思い過ごし!やっぱりコイツ馬鹿だ っ!
無理矢理顎を掴まれ 、雅紀の方を向かされる 。
力つよ っ ...
抵抗することもできず 、まんまと唇を奪われてしまった 。