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【文スト】不思議の国の異能少女

第6章 事件現場


「武装探偵社…。」

成程、そういうことか。

警察に呼ばれ、事件に携わり、尚且つ、機密事項ですら教えてもらえる存在……武装探偵社。

表と裏の狭間にいるって聞いてたけど本当だったのか……。

その時、乱歩がアリスに話し掛けた。


「ねぇ、アリス。これ、君の知り合い?」

「「?!」」

その発言にアリス以外の全員が反応する。
アリスは全く動じない。

「違うよ。皆、初めまして。」

「そっか。」

2人は今の会話だけで全てを悟り、悟られた。

「乱歩、此処から恙無く逃げ出せる確率は。」

「0パーセント。数が多すぎるよ。弾が当たらない場所がない。」

乱歩が返事をする。
左様かとだけ言うと福沢は男を向く。

「この娘は偶々、居合わせた一般人だ。解放を要求する。」

「断る。」

「!」

そう言うと一斉に銃を構える。
アリスははぁ。と溜め息を付いた。

「福沢おじちゃん、有難う。でもいいよ。」

「巻き込んで済まない。」

「あはは。大丈夫大丈夫。」

「「?」」

ニッコリ笑って福沢の見上げる。

そして、男達の方を睨み付けながら告げた。


「どうせ中らないから。」


スガガガガガ!!

異能力―――『ワンダーランド』

「「!」」

アリスが異能力を発動するのと一斉射撃が始まったのはほぼ同時。
銃弾は一斉に3人に向かって飛んできて、停止した。

「何ぃ?!」

「鉄砲って弾が当たらないなら只の我楽多だね。」

クスッと笑うと弾が重力に逆らうことなく地面に落下する。

「異能力者だったのか。」

「うん。」

「矢張りそうだったか!」

福沢が少し驚いてアリスに話し掛ける。
乱歩は銃弾が止まったこと自体には驚いたものの、異能力者ということには然して驚いていない、寧ろ納得した様子である。

「だったらこれならどうだ!」

ピンッと甲高い音をさせた後、何かを此方に投げ付ける。手榴弾だ。

「あー。うん。どうもないよ?」

弾は何時までたっても爆発しなかった。

「糞っ!此れしかないか!」

そう言って懐からナイフを取り出し、全員構える。

「!」

其れを見て、福沢も構えた。
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