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【文スト】不思議の国の異能少女

第6章 事件現場


「お前が聞いたんだろうが。」

「あれ?そうだっけ。」

はぁ、と溜め息を付く福沢。
何時もの事なのかそれ以上は何も言わなかった。

「帰るぞ。」

「はぁい。」

乱歩にそう言うと、福沢はアリスの方を向く。

「娘、家はどの方角だ?」

「え。彼方。」

福沢達がやってきた方向と反対の方角を指差す。

「そうか。行くぞ。」

「否、1人で帰れるよ?!」

アリスの手を掴み、歩き出す福沢。
その隣から付いてくる乱歩。

「また夜遅くまで出歩く心算なら改めろと言った筈だが。」

「そんな心算、全く無いよ!」

「然すれば、問題は無い筈。」

「はっはっはっ。諦めた方がいいよ?アリス。福沢さんは頑固だからねー。」

「確固たる信念を持たぬ者に他者を守る事など出来ん。乱歩、お前も少しは―」

「あー!その話は聴きたくないー!」

賑やかな2人に連れられてアリスは殺人現場を後にした。


「矢っ張り乱歩兄は頭いいね!」

「そうだろう!君は本当に理解力がある!この名探偵の弟子に認定してあげよう!」

「わぁー!有難う!」

他愛もない会話を繰り広げながら歩く2人。
福沢も、久しぶりに意気投合出来る人間と逢えて嬉しそうに話す乱歩を黙って見守る。
珠には賑やかなのも悪くないと思っていた矢先、異変に気付き2人の後頭部を掴み、其のまま下に押し込める。


「伏せ!」


「「?!」」

チュインッ


3人が屈むのとほぼ同時。
直ぐ後ろを高速でやってきた何かが着地する。

「走れ!」

2人の手を取り、走り出す福沢。

「何々?何事?!」

「敵襲か?物陰から狙撃されているようだね!」

アリスの質問に律儀に返答する乱歩。

見えない狙撃を避けながら逃げていると、今度は乱歩が何かに気付き、福沢に言う。

「福沢さん、罠だ!誘い込まれてる!」

「!」

着いた先は小さな倉庫だった。

仕方無く、倉庫の中に逃げ込む3人。

ジャキッ

「「!」」

当然、待ち構えていたのはマシンガン等を装備した男達。
30人弱といったところか。

「こんな処で会えるとはな。孤剣士」

「何か用か?其ならば日を改めよ。無関係の人間が2人も居る。」

「無関係?関係無いな。貴様達が武装探偵社に居る時点で敵なんだよ!」


「!」
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