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【文スト】不思議の国の異能少女

第4章 安全確保


目の前の少女は、欲しい情報を確実に持っている。

そう確信した太宰は改まって、商談を始める。

「君の条件を飲むよ。言ってごらん?」

「先刻も言ったけどあの子達の命の保証だよ。」

「確かに其れは先刻聞いた。了承しただろう?今頃私の部下が命令通り、食事と衣服を給与してる頃…」
「此処に居る間は、でしょ?」

「!」

太宰は鋭い目付きでアリスを見やる。

矢っ張り、と呟いてアリスはケーキを食べ始める。


他の連中なら確実に気付かれなかっただろうに。


矢張り、この少女は只者では無い。

その姿を見て太宰は大袈裟にはぁ。と一息着いて降参のポーズをする。

「10人も見逃せって言ってるんだから、それ相応の見返りがいるよ?流石に。」

「裏切り者の炙り出しを引き受ける。」

「足りない。」

キッパリと太宰は言う。

「じゃあ、彼女達のポートマフィアが関わった部分の記憶の改竄と影使いさんの居場所の特定も付けるよ。」

「……前者は兎も角、後者は出来るのかい?我々が1ヶ月掛かっても見付けられないのに。」

「出来るよ。」

「………。」

笑顔で答えるアリス。

「守れなかったら私の事、好きにしていいよ。」
信じられないのも無理はないし。

苦笑しながらアリスは言った。


「………取引しよう。何日掛かる?」

「うーん。今から動けば3、4日かな。」

「!」


そんなに早くか。


流石に信じられないと思いこそしたものの、それでも構わなかった。


彼女は『無理なら自分の事を好きにしていい』と言ったのだから。



出会うこと、僅か2回。
未だ明確でない少女の異能力は、判っている範囲だけでも利用価値が非常に高い。


手に入れることが出来れば様々な使い道がある筈だ。


「じゃあ早速、彼女達を帰したい。警察署迄送って?」

「判った。手配しよう。広津さんと一緒に居た、」

「その人は駄目だよ。」

「!」

太宰の提案を直ぐに却下するアリス。

既に1人割り出されたのか。

「じゃあ、誰に頼もう――」

「太宰、手前ェー!」

バンッ!

かな?と言おうとした瞬間に小柄の男がズカズカ入ってくる。

中也だ。
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