第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
断言と言っても過言ではないその発言に、眉間にシワを寄せる眼鏡男。
「……根拠を伺っても?」
靴を履いている男の背中に向けて声を掛けた。
「さっき噂を利用したって言っただろ?信憑性を持たせるためには『それらしい事実』が必要だ」
「……真逆」
靴を履き終わった男は口元に嫌な笑みを浮かべながらゆっくりと振り返った。
「俺は『噂話』を他の連中に聞かせた事はあっても、実際に混ざって参加したことなんか一度たりともねえ」
「………そういうことですか。つまり貴方の仕事はターゲットの暗殺ではなく『情報操作を行って、最終的に手柄を横取りするために同業者を始末する事』ということですね」
「頭が良いな。流石、『異能犯罪者』を名乗るだけある」
「お褒めいただき有難うございます」
眼鏡男がペコリと頭を下げた。
ガチャッ
男は玄関の扉を開けた。
「『殺し屋殺し』からアイデアを得たがこんなに美味い仕事はね…え……な………」
ジャキィ!!
玄関の外には武装した男たちが銃を構えていた。
「なっ……!?」
「両手を挙げていなさい」
後ろでは眼鏡男が銃口を向けていた。
男はゆっくりと手を挙げて無抵抗を示す。
「どういう……ことだ……?」
男がゆっくりと眼鏡男の方を向いた。
「!?」
その男の隣に、いつの間にか人間が2人増えている。
眼鏡男の隣に立っている長身の男がにっこり笑って口を開いた。
「『ハイエナ』が起こしたと云われていた事件凡てを調査したところ犯行人数がバラバラだということが判ったからね。主犯が居ると思っていたんだ」
「っ!?」
「後は彼等が接触したことのある共通する人物を探せば良い」
「流石に一人まで絞るのは難しいから大変だったけど、ね」
長身の男は更に隣にいる少女の頭を撫でながら云った。
その様子をチラリと見て溜め息をついた眼鏡男がポケットから何かを取り出して見せながら話す。
「容疑者全員の話を聞こうとしましたが、最初で当たりでしたね」
レコーダーを見た瞬間に男は青ざめる。
「強力だったでしょ?マフィアが愛用している『自白剤』の威力は」
長身の男と同じ様にニコニコしながら告げる少女。
「コーヒーか……」
何をしても勝ち目がないことを知らしめられて
男は力が抜けたようにその場に座り込んだ。