第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
飛んでくる銃弾の量が明らかに減ったことを確認し、烏間も戦闘態勢に切り替える。
「ねぇ」
そんな烏間に乱歩が話しかける。
「何だ」
「武装した人間何人までなら同時に相手できる?」
「…武装内容次第だが」
「どうにかして3分粘って」
「っ!」
烏間にそういうと生徒たちをざっと見渡して、谷崎を呼ぶ。
「谷崎」
「はい」
「向こうの狙いはその宇宙人っていうのは変わらない」
そう前置きして、乱歩は谷崎に対して手短に指示を出す。
その間に、先程の銃弾が飛んできていた方向とは別の。
新たな銃撃の音が響きだした。
「っ!?」
咄嗟に烏間は銃で応戦する。
指示が終わったのか。
乱歩は次に殺せんせーに近寄ってヒソヒソと話す。
終わると同時に、谷崎の方を向いて頷いた。
『細雪---』
辺りに突然、雪が降り始めた。
瞬間、殺せんせーと生徒全員が一瞬で姿を消したのだった。
「何!?」
その出来事に烏間も目を見開いたが、敵対していた人間たちが発砲をやめ、動揺し始める。
その行動さえも読めていたのだろう。乱歩はニヤリと笑った後、大きく口を開けた。
「今だよ、素敵帽子くん!」
ドオォオオオォン…
間髪入れずに響き渡る轟音。
「なっ…!?」
音とともに舞い上がった砂煙の奥で何が起こったのか。
必死に目を凝らして状況を確認する烏間。
風の助けもあり、視界が晴れてきて目にした光景に烏間は驚きの声を上げた。
抉れた地面。地面に張り付いている人間たち。
その中心に立っていた人物は、先程も地面に穴を開けた人間と同一人物だった。
「どいつもこいつも…俺を顎で使うんじゃねェよ」
パタパタと服の砂埃を払いながら地面に穴を開けた人間こと中原中也は乱歩の方へ歩いてきた。
「君を顎で使ったのは太宰とアリスでしょ。僕は合図を送っただけ。それに大人しく従ったのだって取引が成立したからじゃないの?」
「…チッ」
一緒に行動しても居ないのに凡てを見透かした乱歩の発言に舌打ちする中也。
「向こうはいいのかよ」
そして、話題をそらすように敦達がいる方向を見ながら口を開いた。
「大丈夫。もう終わる。これで凡て片付いた」
「そうかよ」
その言葉を信じたのだろう。
中也は懐から煙草を取り出すと口に咥え、火を着けたのだった。