第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「せんせー逃げて!」
「そうだよ!せんせーは俺たちが殺すんだから!!」
その様子に生徒たちが声を上げ始め、終いには伏せの状態を解こうとする。
「まだ動くな!!」
烏間が大声で叫ぶが、生徒たちが殺せんせーを心配する声は増すばかりだった。
「夜叉白雪---あの人を守って」
鏡花の命を聞いて夜叉が殺せんせーに降り注ぐ弾を弾い始める。
「弾を撃ってる人間をどうにかしないと保たない…!」
鏡花の声に敦が弾が来る方向に構える。
月下獣---
スゥ…と息を吐き、虎化した脚で銃弾の雨の中に飛び込んで行った。
鏡花を守る夜叉白雪は殺せんせーの元。
そばに居た敦も状況回復のために離れる。
---それが、狙いだった。
「!?」
先に迎撃していた芥川の元に辿り着くほんの僅か前。
独りだけ離れた位置で銃を構えている人間を虎眼が捕えた。
ニヤリと笑う口元。その銃口は---
「鏡花ちゃん!!!!」
「!?」
急ブレーキを掛け、敦は大声で叫んだ。鏡花にははっきりと確認できない距離。
引き金に指が掛かる。
間に合わないっ---!!!
それでも引き返そうとした、その時だった。
「独歩吟客---鉄線銃!!!」
遠くから聞き慣れた声とともに、敦の視界の端で銃を構えていた男は体制を崩し、そしてねじ伏せられた。
そのことに安堵したのもつかの間、別の聞き慣れた声が敦の耳に届く。
「敦!先に目の前の敵を片付けるんだ!絶対に逃がすな!」
「乱歩さん!」
谷崎と共に現れた乱歩の声を聞いて、敦は再び向かうべき方向へ走っていった。
「…遅い、愚図」
「愚図はないだろ、愚図は」
隣に並ぶも眼の前の敵から目を離さない敦を一瞥し、芥川も前を向いた。
そして、
二人同時に地面を蹴った。