第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
そこそこ高さのある穴を飛び降りて着地した先は、黒い集団に囲まれた場所だった。
先に到着していた太宰と、その傍に居る人物を見て、慌てて傍に駆け寄る。
「っ、不破さん!」
「あ、殺せんせー、カルマ君!」
丁度、太宰が持っていたナイフで拘束していた縄を切ったところだった。
「感動の再会か。天井から現れるとは流石、武装探偵社といったところか」
前回の襲撃にも居た、ハイエナの男が銃を構えながら云った。
3人に緊張が走る。
が、太宰は何時も通りの太宰だった。
「おや。前回の報告では私達の事など何も知らない組織だと聞いていたけど」
「無知をそのままにしておくほど俺達は愚かじゃないからな。況してやあんな目に遭わせてくれたんだ」
「だったらこの状況も意味がないとは思わないかい?君達の負けは確定している」
太宰の発言に対して男は鼻で笑った。
「はっ。そんな挑発には乗らねえぜ兄さんよ。言っただろ?調べたって。此処に来ている人間のあらゆるデータを揃えた。勿論、「異能力」とやらについてもだ」
「ふーん。それで?それが理由だと云うのかい?」
「ああ。奇襲を仕掛けた連中の話じゃ、外にいるのは若い男が2人と小娘が1人。オタク等の事務所を見張っている連中の連絡だと、残りの異能力者は全員が事務所で仕事をしている。そして、アンタは異能力とやらを持ってはいるが俺達と大差ないーーー違うか?」
其処まで聞いて太宰は「御見逸れしました」と云って両手を上げた。
この行動に期に、男たちの輪が縮まっていく。
ある程度の距離になって、太宰はフッと笑った。
「あとは君達が日本ーー否、横濱の事まで確りと調べておいたならば完璧だったね」
「何?」
ピクッと反応を示したと同時に輪の縮まりが止まった。
「我々の界隈はね、君達みたいな不穏分子を昼は異能特務課が。夕は武装探偵社が。睨みを効かせている」
「……だったら何だ。異能特務課?政府関係ならソイツを殺せば如何にでもなる算段は立ってる。貴様等については言うまでもない。既に動向は我々の手の内だ」
「……。」
そんな2人のやり取りを心配そうに見る殺せんせー達。
太宰はうふふ……と不気味な笑いを溢しながら男達を見据えた。