第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「この建物内には最新の爆弾が仕掛けられています。この襲撃は明らかに罠です」
「しかし!このままでは被弾しかねな……!」
そう烏間が主張したと同時に、1階ロビーから此方に向かってくる武装集団を全員が捉える。
「敦君、芥川君」
「はいっ!」
「御意!」
太宰の指示で敦と芥川がその集団に向かっていった。
「鏡花ちゃんはこのまま全員を外に誘導して」
「分かった」
「先生方も其方に。嗚呼、殺せんせーは残ってくださいよ」
烏間は頷くと全員に短く指示を飛ばす。
全員が準備できた事を確認すると鏡花は小さく口を開いた。
「夜叉白雪ーーー道を作って」
現れた夜叉が建物を切り裂いて外への経路を確保していく。
それに、全員が続いていったのだった。
それに気づいたのか。
ドオォオン、と大きな音が鳴り響く。
建物上部で、爆発が起きたのだ。
「不味いな。建物自体そう長くは保たない」
「どうすんの?まだ不破さんだけ見付かってないのに」
「それは大丈夫。アリスがそろそろ見つける頃だ。……それよりも」
太宰はハア、と息を吐いて視線をずらす。
「君、まだ居たの……」
「やっぱり気になるからね」
「そう」
「にゅや!?カルマ君!早く皆と一緒に逃げて下さい!」
「いやーもう無理っしょ。危ないって」
当然のように居るカルマに今まで本当に気付かなかったのか。
殺せんせーはオロオロしはじめたが、太宰は溜め息を着くだけだった。
段々と小さくなっていく銃撃音。
漸く太宰がピクッと動いた。
「治ー見付けたよー」
掛けよって来た、いつの間にか居なくなっていたアリスを見て太宰が笑う。
「ご苦労様アリス」
手の届く位置まできたアリスの頭を撫でる。
気が付けば目の前に降り注いでいた銃弾の雨もいつの間にか止んでいた。
「そっちも片付いたようだね」
アリスの頭を撫でる手を止めないまま、太宰が振り返る。
「チッ。全部俺に押し付けやがって。手伝う素振りくらいみせろや」
「何のために連れてきたと思ってるの?」
「手前が楽するためだろ」
「何だ解ってるじゃない。流石、私の牧羊犬」
「誰が手前の犬だ!」
「はいはい。それくらいにしてよ2人とも」
アリスが仲裁に入って漸く言い合いを止めた。