第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
呼ばれてジーッと見詰めるイトナを疑問符を浮かべながら見る敦。
「コレはタイマー式じゃないからココとココの回線を切ればいい」
「えっ!」
敦は云われた通りの回線を切る。
すると点滅していた赤いランプが消えた。
「有難う。本当に助かったよ!」
「別に。大したことじゃない」
イトナの手を取ってブンブンと上下に揺らしながら、敦は満面の笑みでお礼を述べた。
そのタイミングでザザッとノイズが入る。
嫌いなやつの顔が過り、一瞬だけ顔を歪める敦。
『あっくんー今何処ー?』
しかし、聴こえてきた声に直ぐ表情を戻した。
「えっと、僕は今、南館ってところの6階に居るよ」
場所を伝えると、奥から複数の声が会話しているのが聴こえる。
その会話の内容から同じ質問を鏡花と芥川にも行ったのだろうと推測し、耳を澄ませる。
1分も掛からず、話し合いは終わったのだろう。
通信を寄越してきたアリスに代わって太宰が話始めた。
『先ずは生徒達の安全を確保したいから全員外にーーー』
ドォォオォオオン!!
その指示は、突然響き渡った轟音によってかき消された。
「だ、太宰さん!?」
爆音。
しかし、揺れがなかったことを考慮すると音が発せられたのは通信機側ーー。
慌てて太宰の安否を確認する敦。
『煩い人虎。少しは落ち着け』
コホコホ、と咳をしながら違う通信が入る。
「落ち着けって云ったってきっと太宰さん達は奇襲を受けてっ…!」
『彼の人達が此の程度で殺られるわけ無い』
「それはっ……………そうだけど………」
芥川の言葉に反論したかったが出来なかった。
芥川の云う通りだということは敦も理解している。
『あー糞っ!車駄目になったじゃねーか!』
『中也のじゃないでしょ。あーあ。折角なら先月購ったばかりの中也の愛車だったら良かったのに』
『ンだと!?って一寸待て!何で俺が先月車購ったこと知ってンだよ!?』
『何云ってるの中也?私に掛かれば調べられないこと等無いことくらし知ってるでしょ』
『だから何で調べる必要が………手前ッ…真逆……!!』
あれ。心配した僕が間違ってたのかな?コレ。
芥川の言葉の後から聴こえてきた緊張感のない会話に敦は項垂れた。