第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
中島敦は倉庫として使われていたらしい暗室にいた。此方側から行った通信を此方側から切って素早く物陰に隠れる。
たった今、見付けたモノから目を離さないようで済む位置を保ち続けながら慎重に気配を探る。
ーーー此れの確認、か?
それにしては……なんか………
カチャリ。
「虎」の耳でなければ気付かなかったかもしれない程の扉の開閉音を聞いて、息を殺す。
相手も慎重なのか、足音を殺し、気配を立ちながら入室してくる。
しかし、敦の耳にはハッキリと聴こえていたのだ。
ーーー緊張しているのか、少し上がっている呼吸音が。
もしかして。
そう思って眼を凝らす。
「あ」
「「「!?」」」
想像していた通りの姿を捉えて敦は思わず声を上げた。
侵入者の目が一斉に敦の方を捉え、身構える。
「良かった~無事だったんだね」
「「「……?」」」
敦はふう、と息を吐いてニコッと笑ってみせた。
「……アンタは何者だ?」
その様子に警戒を続けつつも男性というにはまだまだ幼い男子が1人、スッと前に出て押さえた声で問う。
「僕は武装探偵社の社員で中島敦って云います」
「!」
武装探偵社、その単語に反応して殺していた気配が戻った。
「……アリスといいアリスを抱えて帰ったお兄さんといい……何かさ、武装って付く組織の人間の割には全然厳つくないよな」
「あはは……」
頬をポリポリ掻きながら苦笑する敦。
「俺は前原。んでこっちはーーー」
と前原を初めとして松村、三村、吉田、堀部、速水、矢田が自己紹介をしたところで敦は視界にいれていた筈のものを思い出した。
「そうだ!爆弾っ!」
「「「「爆弾っ!?」」」」
そう云って慌てて近付く。
タイマーも付いておらず、何かに反応してるのか赤いランプが規則的に点滅している。
「コレ……本物?」
矢田が恐る恐る訊ねると敦はコクリと頷く。
「うん。此れを解除しようとしたところだったんだよ。嗚呼……また彼奴に嫌味云われるのか」
「彼奴?」
此方の話、と笑いながら耳に手を当てようとする。
「一寸、解除方法が解らなくて」
敦がそう云うと前原がイトナを呼んだ。