第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「アリスと、そっちは……」
現れた人物はクラスメイトと、一度だけそのクラスメイトを連れて帰った人物だった。
「太宰だよ。それより」
走ってきたのか乱れた呼吸を整えながらアリスと太宰はこの状況についてカルマに訊ねる。
「此処で模試やっててさ。皆で参加してたんだけど火事が起こっちゃって」
「模試?」
「そそ」
スマホを弄り「コレコレ」と律から送られてきた一斉メールをアリス達に見せる。
「!?」
メールを見た瞬間にアリスが眉間にシワを寄せた。
「……××研究会ーーー私を探してた………そうだっんだ」
「××研究会って云ったら電子学館の派生じゃなかったっけ?」
「そうだよ。中也兄が私に仕事持ってきたとき『私を捜してる人間がいた』って云ってたけどあの時点から目を付けられていたってことか」
険しい顔で話を進める2人にカルマもただ事では無いことを悟った。
「ねぇ。もしかしなくてもこの火事、偶然じゃないってコト?」
「そうかも。何か可笑しくなかったの?そのテスト」
アリスがカルマに訊ねる。
その間に太宰は何処かに連絡をしているようであった。
「あ、そういえばアイツ等は『テストは解かなくてもいい』だの言ってたような……」
「「ダミーか」」
「え」
いつの間にか連絡が終わった太宰とアリスの声が重なった。
「ねえカルマ。先刻『皆で』って云ってたけどその皆は何処?」
「あ、俺以外は火事に巻き込まれちゃってさ。煙を吸ってるからって病院ーーー」
「「!?」」
アリスと太宰が一斉に反応する。
「えっ…一体なに……」
「中也、急いで!」
『うるせェ!飛ばしてるっつーの!!』
耳に嵌めている端末に云うと同時に、物凄いスピードで車が近づいてくる。
その車は大きなブレーキ音を奏でて太宰の前にギリギリの状態で停止した。
「乗れ!」
運転手は勿論、中也だった。
助手席に太宰が後部座背にアリスが素早く乗り込むーーーのにカルマも続いた。
中也は一瞬、何か云い掛けたが直ぐに車を発進させた。
「危ないよ?」
「知ってる。でも、皆もなんだろ?」
前に乗っている大人2人は溜め息を吐いたが降りろとは云わなかった事をいいことにカルマもアリスに倣ってシートベルトを着用したのだった。