第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「……?」
あれ?何か反応おかしくね?
そう思ったと同時に、その内の一人が口を開いた。
「え、何?君はあのテスト解いてたの?」
「………は?」
流石のカルマも直ぐに反応することが出来なかった。
「いや、確かにその方がリアリティあるよ!なあ?」
「だな!真面目な性格してんなー!」
馬鹿にしてる気は無い。
そう言わんばかりに、カルマをフォローするような発言を他の2人が行う。
だが、カルマはそれどころではなかった。
「いや、ちょっと待って。テスト解いてなかったわけ?」
「「「……。」」」
3人は顔を見合わせた。
「いや、解かなくていいって説明だったじゃん?」
どうやら話が噛み合ってない事に気付いた様だ。
「いやいや、全国統一の模試を受けに来たんじゃ無いなら一体何しに来たっていうわけ?」
「君こそ何云ってるの?その模試のーーー」
そう返された言葉は複数の悲鳴によって掻き消された。
カルマと3人組も一斉に悲鳴の上がった方を向いた。
「!?」
今まで居た建物から煙が上がったのだ。
「うわっ!かっ…火事!?」
集団がザワつく。
皆っ!?
カルマはハッとして建物の方を向いた。
今にも走っていきそうなカルマの腕を掴み、制止する。
「おい!?危ないって!!」
「まだ中に友達が居るんだよ!それより消防車呼んで!!」
カルマは素早く指示して建物へと向かった。
建物からは煙だけでなく炎の柱も上がり始めていた。
建物に入る一歩手前でカルマは足を止めた。
「落ち着いて下さいー。慌てないで」
「!」
試験官に誘導され、冷静に避難してきたクラスメイト達が目に入ったからだ。
「渚くん!皆!」
「カルマ君!」
煙を吸わないように押さえていた手を口元から外して皆が集まる。
直ぐに磯貝と片岡が点呼を取り、全員の無事を確認した。
そして、間もなく到着した消防車によって消火活動が行われる。
「キミ達は一応、病院に」
直ぐに避難し無事だったとは云え、多少なりとも煙を吸ってしまっている渚達は消防車と共にやって来た救急車に乗せられて、検査に行くことになったのだった。
「あれ?カルマ?」
「!」
最後の組が乗った救急車を見送っている時だった。
先程まで居なかった人物に声を掛けられて、カルマはゆっくりと振り返った。