第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
何だコレーーー。
カルマは鉛筆を紙に据えたまま考えていた。
そして、チラリと。
自分と同じ服を纏っていない人間に。
手が動いてる………。
それから、纏っている人間に目をやった。
頭を掻いたり、抱えたりと行動は様々だったが
「自分と同じ状況」だと一目で判った。
カルマは少し考えて問題に取り掛かった。
2限目は数学。
自分が得意とする科目の筈なのに疑問に思いながら問題を解き始めた。
カルマはある一件から自身を見直し、復習は勿論、予習にも力を入れていた。
今、問題を解くことが出来ているのはそのお陰だろう。
授業で習った覚えのない問題に苦戦しつつも鉛筆を走らせる。
椚ヶ丘は有名な進学校なのに……全国ではもっと上が在るわけね。
見覚えのない制服を纏った受験生達に負けぬようにと問題を解きながらそんな事を考えていた時だった。
「30分経ちました。退室を許可します」
試験監督を勤めている人間がそう口にした途端、カタンと椅子を引く音が聴こえ始めた。
「「「「!?」」」」
顔こそ上げなかったものの、クラスメイトが慌て始めた事が空気で伝わる。
そして退室を許可されている10分の内、5分が経過した今。
最後の他校生がこの教室を去ったのを最後に、残っている人間は全員、顔見知りだけとなった。
カルマは負けたくなかった。
他校生と云えど「同級生」である人間に、勉強で遅れをとる心算なんてなかった。
急いで鉛筆を走らせると、最後の生徒に続いて席を経ち、部屋を後にしたのだった。
この建物の道路を挟んだ向かい側にはコンビニがあった。
「立ち読み出来るほど余裕ってこと?」
上には上がいる事を突き付けられたカルマは、情報収集するために他校生たちが居るであろうコンビニへと向かったのだった。
建物の外に出ると目的の他校生達を直ぐに見つけた。
彼等はコンビニなんかではなく、その建物の駐車場に集まって話しながら建物をチラチラと見ていた。
「?」
カルマは彼等に近付いて、当初の目的通りに話し掛ける事にした。
「ねぇ」
一番近くにいた男子生徒3人組に声を掛けると、
3人はニコニコしながらカルマに応じた。
「キミ達、ドコ中?あの問題、難しくなかったの?」
「「「は?」」」
「…え?」
キョトンとした顔でカルマを見る。
そして、直ぐに大声で笑い初めた。
