第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
『あ?手前ンとこの眼鏡だって其処に行くように云ってたじゃねェか』
「横濱から離れているから不馴れな土地の見知らぬ場所だ。頭数は多い方がいい。もう1つのグレーゾーンに君の部隊を行かせて中也だけ加勢しに行ってよ。そんなに遠くないでしょ」
『……。』
矢張り、太宰の考えも同じなのだろう。
それを踏まえれば指示も妥当だと云わざるを得ない。
中也一人が表立って動いた所で普段と違う場所での活動ならさして目立ちはしないだろう。
了解の意を口にして、中也が部隊に指示を出しているのを聴きながら太宰はアリスの方を見た。
「如何したの?」
キョロキョロと首を動かしているアリスに太宰が首を傾げる。
「………サイレンが彼方此方から聴こえる」
「サイレン?」
耳を済ませると確かに救急車両のサイレンが聴こえる。
しかし、「彼方此方」からなのかは判らないほどに僅かな音だ。
「消防車だ。方角は彼方」
「………丁度、私たちが向かおうとしている方向だね」
厭な予感が、した。
「「……。」」
アリスと太宰は、走り出した。