第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「この爆弾の使用はおろか、この街に持ち込むことを御法度にしている組織があるのだよ」
『!………ポートマフィアか』
正解、と太宰は明るい声で答える。
「与謝野女医と国木田君は現場に向かうんだろう?それなら敦君と鏡花ちゃんを今から指定するところに来るように指示して。あと谷崎君は先日捕らえたハイエナが居る場所に向かってくれ給え」
『判った』
手短に返事をして、国木田から通話を切った。
「アリス。黒真珠の画像とか無い?」
「直ぐに用意は出来るよ」
そうして2人は、紙媒体に印字するべく近くのコンビニに立ち寄った。
アリスがピコピコと操作している間に太宰は耳に嵌めている通信端末に手を当てた。
「中也。其方の状況は?」
『外れだ。完全に遊ばれてンな』
ザッというノイズ後に中也から反応がある。
「恐らく、君達を撹乱させたいのだろうね。『黒真珠』について判る人なんて此方側には殆ど居ない」
『んで、表で騒ぎが起きたとしても目立って行動が出来るわけがねえ………完全に策に填まったってことか』
舌打ちまで通信機が拾う。
相当、苛ついているせいでもあるのだろう。
「中也。このままでは埒が明かない」
『ンなこと判ってンだよ』
「って訳で、芥川君を此方に寄越してくれない?」
『あ?芥川なんて出ていったら目立つだろーが』
「ウチの敦君と鏡花ちゃんと共に『グレー』を当たらせる」
『……。』
「この状況を考えると黒真珠は既に仕掛けられている。敦君達に姿形を教示したとして、爆弾の処理まではきっと手が回らない。使用どころか持ち込みすら御法度な爆弾をばかすか使われてしまうよ?そうなると困るのは誰かなー?」
『………チッ。』
ブチッという音と共に通信が切れた。
やれやれ、と太宰は肩をすぼめる。
「まーた中也兄で遊んじゃって」
「うふふ」
アリスの頭を撫でながらプリントアウトした紙を受け取って、2人は敦達に指定していた場所へと向かったのだった。