第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「テロを予告して仲間の解放を要求する心算か」
「じゃあ無差別ってこと?」
アリスと太宰は少し速歩きで、爆発現場では無く、予定していた次の場所へと移動する。
「うーん。何か見落としているような気がする」
そう太宰がいった瞬間に、懐に入れていた通信端末が震えた。
「もしも『太宰、貴様今、何処に居る!?』……」
応答したと同時に相手が大声で話始める。
その声は傍にいたアリスにもはっきりと聴こえるほどの大声だった。
「今、次の爆破を防ぐために場所を探っているところ」
『っ!ということは『爆破テロ』が有ったことは認知していると云うことだな!?』
珍しく既に行動しているらしい太宰の言動が本当かを確認するところあたり、矢張り国木田らしい。
「うん。アリスも一緒だ」
『!そうか。』
アリスの名前を出した途端にすんなり引き下がったところも国木田らしい。
その事が面白くない太宰はムスッとしながら「私だって真面目に働く時もあるのに~」とぼやいている。
『今、警察に爆破テロの実行犯から犯行声明が入った。乱歩さんの推理通り「仲間の解放」を要求している』
「……矢っ張りそうか」
『しかし、こんなテロは乱歩さんの推理通り「ではない」』
まあ、そうだね。
太宰は溜め息混じりに答えた。
仲間の一部を捕らえた時点では『黒真珠』は浮上していなかった。
それに、『黒真珠』というモノ自体が表に出回るようなモノではない。
本来、ターゲットを仕留めるために用意していたものを、仲間の解放のために使わざるを得ないほどに相手も切羽詰まっているということでもあるのだろう。
恐らく、大きな誤算………。
ーーー武装探偵社がターゲット側に付いたからだ。
「相手も形振り構っていられなくなったってところかな」
『犯人どもに応じる訳にはいかん。しかし、爆破の規模も威力も相当なモノをこの街に仕掛けたと云っている』
「あー。嘘じゃないだろうね」
太宰がチラリとアリスを見る。
コクン、と頷いたのを確認して太宰は視線を戻す。
「彼等が使用した爆弾は通称『黒真珠』と呼ばれていてね。小型なのに破壊力があることは勿論、遠隔操作機能も搭載されている高性能爆弾なんだ」
『何!?いや、まて!何故そんな事をしっている!?』