第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「あれ?もしかして判ってたの?」
「うん?いや、乱歩さんが『そろそろボロが出る』ってだけ云ってたけど詳細は誰も聞かされてないから初耳」
「流石、乱歩兄……。私、先刻判ったのに」
むーっと膨れるアリスの頭を優しく撫でる太宰。
「まあまあ。アリスがポートマフィアと取引を行ったーーーその事を知らなかったハイエナの誤算が生じた結果ってことには変わりないから間違いなくアリスの手柄だよ」
「それはそうだけど」
「何だい?まだ不満があるの?」
「乱歩兄と治が真剣に考えてくれればこの作業……要らないよね?」
この作業とは勿論、ポートマフィアによって壊された『電子学館』所有の工場から出ていった車の行方だ。
「否、戦況は常に動いてる。相手もプロだからね。我々が追って来ることも想定している筈。確実に叩くならアリスの調べモノは絶対に必要な情報だよ」
私も手伝うから、とアリスの不貞腐れて膨れている頬に口付ける。
「………頑張る」
「うん。ほら、場所を特定さえすれば中也がしらみ潰しに当たってくれるんだから少しは労力も減るよ」
「まあ、そうだね」
どんな展開だろうとポートマフィアを巻き込む心算なんだろうな、と。
アリスはニコニコしている太宰の顔を見てから、直ぐに画面に向かったのだった。