第4章 安全確保
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泣き止んだ少女に姉の特徴を尋ねるアリス。
しかし、年齢が14歳であることと、髪が自分より長いという情報以外は何も得ることが出来なかった。
責めて服装位分かれば良かったけど。
「お姉ちゃんと何処に行く積もりだったの?」
「うーんとね、ママのお誕生日プレゼントを買いに行くつもりだったのー。」
「…そっか。」
「お姉ちゃん?」
急に小声になったアリスを心配する◎◎。
慌てて、何でもないよ、と笑って見せる。
「ってことはデパートに行く積もりだったのかな。でも、どうして逸れちゃったりしたの?」
「◎◎が喉がカラカラだから何か飲みたいって、もう歩けないって我が儘言っちゃったの。」
シュンとしながら言う。
「直ぐに戻って来るから一寸待っててって言ってたのに・・・。」
ヒクッ。
◎◎はまた泣き出しそうになる。
せっかく泣き止んだばかりなのに!!
アリスは慌てて◎◎をあやす。
「其れで、お姉ちゃんは此方に歩いて行ったの??」
「うん。」
目をごしごしと拭きながら少女は頷く。
ってことは。
此の近辺で飲み物が買えそうな処は――。
アリスはキョロキョロしながら道を歩く。
「!」
すると、右への脇道の突き当たりに自動販売機を発見する。
昼間なのにほの暗い道。
「人目につかない、か。」
若し、この子の姉が予想通りにこの自動販売機に気付いたならば……。
あらゆる可能性を想定する。
そして弾き出された答えが、
『面倒事に巻き込まれた可能性が9割』――。
行ってみるか。
アリスは◎◎の手を引いて脇道へと入っていった。
「!」
自販機に近付くにつれ、人の気配が濃くなる。
「中り、か。」
人攫いかな?
「……お姉ちゃん?」
ポツリと呟いて、周囲を探っていたアリスの表情が先程までとは違ったせいか。
不安そうに見上げる◎◎に気付き、笑顔を作る。
自動販売機の前まで連れていくとリュックからお財布を取り出す。
「◎◎、何れが良い??」
「え?買ってくれるの?」
「うん。好きなのを選んでいいよ。」
ニッコリ笑って会話している2人の背後に、気配が迫る。
「!」
「きゃー!!助けてーー!」
突然、麻袋のようなモノを被せられる。