第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「何れくらいで特定できる」
「13台凡てだと、走る距離と方向やカメラの位置にもよるけど絶対に3時間は。……相手は国際的に有名な犯罪者だから色々想定してると思う……そういった罠も凡て把握するとして6時間は欲しい」
中也が自身の端末のディスプレイを確認する。
現在の時刻は間もなく午後11時になろうとしていたところだった。
「6時間なら明日の早朝か」
「大丈夫?」
「構わねェよ。詰まるところ6時間掛けたとしても『その間に黒真珠が使われることは無い』ってことだろ?」
アリスは中也の質問にクスクスと笑って、コクリと頷いた。
食事も話も終わった2人は店の外に出ていた。
「矢っ張り中也兄との商談は楽でいいなー」
「そうか。じゃあ此れからも贔屓に頼むぜ」
「それは貢ぎ物にもよるね!」
「矢っ張り青鯖に似てきたな手前ェ」
青鯖ーーーその単語が出てきた瞬間に再びムッとした表情になる。
中也はすっかり忘れていたのだ。
どうやらアリスと太宰が喧嘩中であったということを。
「………今度は何で喧嘩したんだよ」
「……美人にすーぐデレデレしちゃってさ……あの女性、私とそんなに年変わらないのに体型も……」
小声で不満を云うアリスには失礼だが、「何だ、何時ものことか」と中也は安心した。
勿論、口には出さなかったが。
「ありゃ病の域だ。気にする方が阿呆らしいぜ」
「判ってるもん!」
「ハイハイ。それでも嫌なものは嫌、だもんなァ?」
「うー……」
アリスの頭をポンポンと撫でてやりながら何時もアリスが云う台詞を先手打った様に云う。
「何処に送る?」
「○○グランビアホテル」
「また随分良いとこにお泊まりしてんのな」
「偶には贅沢しないとね」
中也はアリスの云ったホテルへと車を走らせた。