第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
中也とアリスは、とあるレストランに来ていた。
外界の音も聞こえないほどの静かさを誇る完全個室な場所でのんびり食事をしている。
「それで?何の情報が欲しいの?」
頼んだパスタをくるくるとフォークに絡ませながらアリスは中也に話し掛けた。
「『ハイエナ』だ」
「!」
パクッとパスタを口にいれてアリスは中也の次の言葉を待つ。
「『電子学館』が持つ製紙工場の1つに『黒真珠』は在った。アリス、手前の情報通りな」
「うん。それは先刻も聞いた」
「絡んでいたのはポートマフィアと対立していた小物だ。粛正は直ぐに済んだんだが…」
「………真逆、『黒真珠』の回収が出来なかったとか云わないよね?」
「その真逆だ」
「……。」
中也は肉を切って、口に運ぶ。
その間にアリスがポケットから端末を取り出して操作を始めた。
「『電子学館』は黒い連中と繋がりすぎてる。そのせいか、私と同じ様に株を空売りした人間が代表取り締まり役をかって出たーーー組合の誰かさんみたいにね」
「その人間に関する情報が俺達では調べられなかった。だが、1つだけ噂程度と前置きしてその人間の情報を得たんだよ」
アリスはピコピコと端末を操作していた手を止めて顔をあげた。
「それが『ハイエナ』だった、ってこと?」
「中りだ」
ワインを飲みながら答える。
「成る程ね………なんとなーく読めてきた」
「何なんだ?その『ハイエナ』ってのは」
「世界規模で暗躍している暗殺者集団らしいよ」
「暗殺者、ねぇ」
グラスの中のワインを転がしながらアリスの話に耳を傾ける中也。
「それとアリスに何の関係があンだよ」
「其奴等の狙い人、の周囲の人間達の護衛なの」
「……ああ、あの餓鬼どもか」
「そ。」
パスタを食べ終わったアリスはメニュー表を開いて、デザートの頁を見ている。
「ハイエナはこの間、大規模な襲撃を失敗しちゃってるんだよね。だから『黒真珠』に目をつけたのかも」
「おいおい。『黒真珠』なんて暗殺にはむかねぇだろ」
「獲物を殺すのに手段を選ばない………それが彼等のモットーらしいから」
「ハッ。そりゃ暗殺者の名が泣くな」
「ホントにね」
アリスはデザートを注文して「うーん。」と考え出す。