第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
そして1つだけある心当たりに行き着き、ハッとする。
「中也兄、何の勧誘か思い出せないの?」
「詳しくは見てねェってんだろ?」
「役に立たないなー」
「……ホント太宰に似てきたな、お前」
中也のぼやきにアリスがユラリと動く。
怒気を孕んだ気配に思わずビクッとなる中也。
「私の前で治の名前を出さないで」
「また喧嘩してンのか。懲りねェな」
「私が?治が?」
「……糞鯖に決まってンだろ」
「じゃあいい」
ペロペロと飴を舐めだす。
少し落ち着いたのか、何時ものアリスに戻りつつある様子に中也は小さく息を吐いた。
「其方も面倒な事になってるようだな」
「社長が『ハイエナ』を全員捕獲するって云うから仕方ない」
「『ハイエナ』……だと?」
その名にピクッと反応した中也をアリスは見逃さなかった。
「ん?中也兄の仕事に引っ掛かる名前じゃない筈だけど」
「………アリス、今からの予定は」
「18時に学校に戻る以外は無いよ」
「好きな服購ってやるし序でに飯も奢ってやる」
「おー!気前良いねぇ!」
ぱあっと笑顔になるアリス。
しかし、それだけの話ではないことを重々理解している。
「それで?その見返りは?」
「情報交換だ」
中也は部下に指示し、服屋に向かったのだった。