第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
―――
アリスは教室を去って学校の坂道を下った。
キキィッ!
「!」
下りきったタイミングでアリスの目の前に黒塗りの車が停車した。
降りてきたのは………
「よォ、アリス」
マフィアの幹部、中原中也だ。
アリスは何の警戒もなくトコトコと中也に寄っていった。
「珍しいね?中也兄から私のところに来るなんて」
「まあ、そうだなっ!」
「!?」
ガシッ!
アリスの口を押さえ、抱え込む。
アリスはジタバタと抵抗するが力では絶対に勝てる訳がない。
そのまま無理矢理車に押し込まれる。
そして、車は直ぐにその場を後にした。
……………
暫くの間、後部座席で暴れまわる2人。
色々な道を経由し、漸く大通りに出たところでアリスが中也を叩いた。
「………痛い」
「悪ィ」
ぐすん、と態とらしく云ったアリスの頭を撫でながら素直に詫びる中也。
「何なの?いきなり。私、とある会社の倒産を見届けに行きたかったのに!」
「『電子学館』だろ?」
「!」
アリスは大人しくなった。
どうやら中也の話を聞く気になったらしい。
「手前の情報通り、『黒真珠』はこの企業の工場に紛れていた」
「そんな判りきってる報告のために私を拐った訳じゃ無いんでしょ」
「察しがいいな、矢っ張り」
機嫌取りの為に購入していた、
最近アリスがハマっているらしい棒キャンディを渡しながら中也は笑う。
「マーキングされてんだよ」
「莫迦ね。電子学館ごときがポートマフィアを追けるなんてーーー」
「追けられてンのは手前だ、アリス」
「!」
飴の外袋を外す手を止めて中也の方を見る。
「あの学校付近に誰かを捜している怪しい奴等が彷徨いてた」
「このご時世、そんな不審者は通報されるんじゃないの?特にスクールゾーンなんだから」
「何かの勧誘を装ってた。そっちは詳しく見てねえけど」
「じゃあ、どっちをみて『私を捜している不審者』なんて判ったの?」
「前者は手前の写真を握っていた、後者は勘だ。俺たちが同類を見抜けない訳ねーだろ」
「……写真………」
『勘』なんて曖昧な答えの方ではなく、ハッキリと証明された理由の方に疑問を抱くアリス。