第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
放課後―――
数人が残る教室でアリスは磯貝を呼び止めた。
「え?バイトってココでするの!?」
「うん。まあ、何処でも良いんだけど此処の方が安心できるでしょ」
そう云って取り出したのは一台のノートパソコン。
カタカタカタカタ……
何かを操作して出された画面に表示されているのは何かの表で、沢山並んでいる数字は絶えず変化しているものもある。
「これは……?」
「へぇー。アリス、株なんかやってんの?」
カルマが興味本意でパソコンを覗く。
「然して興味がある訳じゃないんだけどね。お金は大事だから」
クスクス笑いながら話す。
「じゃあ今から2時間、磯貝君にしてもらいたい事を説明するね」
「あ、うん」
パッと画面が変わって映し出されているのは折れ線グラフだけの画面。
たて、横に数字はあるものの単位が不明だ。
しかも、その線も左端から画面10分の1程までしかまだ記されていない。
まだ、書き途中の折れ線グラフにしか見えなかった。
そのグラフの右端に『○』と書かれたクリックできるボタンがある。
ただそれだけの画面。
「大体、これくらいかなー」
そこにアリスが何やら操作して横線を平行に二本引いた。
左端から徐々に右端へと伸びていっている折れ線は、その横線の丁度、真ん中を通っているかのように線を伸ばしていっている。
「この2時間で折れ線がこの上の横線を越えたら直ぐにこの『○』ボタンを押してほしいの。もし、この線を越えなくても右肩下がりに落ちていくようで、この下の横線に向かっていくならその時点でも『○』を押す」
「えっ………!?」
磯貝はアリスとパソコン画面を交互に見る。
「それだけ?!」
「え、うん。それだけ。でも目が離せないでしょ?」
「まぁ、そうだけど…」
頭をかきながらそう呟く。
「私、今日はやらなきゃいけないことあるから助かるよ。何か質問ある?」
「いや…ないよ」
善かった。
そう云って荷物の入っているだろうリュックをからってアリスは立つ。
「2時間で戻ってくるからそれまでよろしくー」
そしてアリスは笑顔で教室を後にしたのであった。