第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「貴方達にも体裁を保てる上に、我が社の探偵が『捜査のために此処(この学園)に協力して欲しい』と打診した際に、受け入れてもらえるように……とは名目で、きっと恩を売っておきたかったのね。私たちは依頼と情報を受けて直ぐに『この学園の生徒が危ないこと』を割り出してしまったから」
「はぁ!?その連中のために私たち、利用されたってコト!?」
イリーナが怒りを露にする。
「結果的にはそうなっている状況なのは間違いない、が。協力することにメリットはあってもデメリットはない」
烏間は知っているのだ。
自分達の意見など、そう易々と通りはしないことを。
それなのに好転していると云うことは、だ。
『裏』に何かあるということ。
そう。
「お互いが依頼し合った形になったから、話が可笑しな事になってるけど―――要は、生徒に危害を及ぼそうとしている脅威は今のところ『ハイエナ』で、私は其れの捕獲の為に来た。厄災の芽を刈り取ると思えば……まあ許容できる範囲」
今回の『裏』は、手に余る殺し屋――『ハイエナ』の捕獲。
その目的を達成するため、生徒を囮に使う―――ということになる。
「そんなに怖い顔しなくても生徒は守ってあげるよ。貴方達大人はお断りだけど」
アリスは笑いながら云った。
「フッ。頼もしい限りだ」
「フン。お子様に守られるなんてこと、あるワケないでしょ」
烏間が笑い、イリーナは外方向いた。
「で、意見したいことなんだけど。私は何度も云うけど『ハイエナ』の捕獲が仕事だから殺せんせーの暗殺には加担しない」
「……やはりそこは協力を得られないか」
「社長が『やりたくないならしなくていい』って云ったからね。殺す理由が私には無いから」
「……。」
顔に笑顔を浮かべたまま、黙ってアリスの言葉を聞いている殺せんせー。
「殺せなかったら地球が滅ぶとしてもか?」
烏間が真顔で問う。
が、
「勿論。全く以て興味ないよ。完全に滅ぼしてくれるなら文句云う前に死ねるんだろうし」
アリスは烏間とは反対の。
全く曇りのない笑顔で返答した。
「でも皆の邪魔や水を差す真似はしないから。それで良いかな?」
アリスの意見に教師陣が頷く。
「では明日から宜しく頼む」
「明日は遅刻せずに来てくださいよ」