第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「暗殺者?」
アリスは首を傾げて疑問形で返す。
「でないとこの時期の転校なんてちょっとおかしいし、満点の成績なんて出来すぎてる」
カルマは退かなかった。
そのままアリスを問い詰める様に言い放つ。
然し、アリスもアリスだ。
「それと暗殺者の関係性って何?もしかしてこの学園に編入してくる人って皆、暗殺者っていう前歴でもあるの?」
「そうだよ」
「へぇー……暗殺者って自分から『私は暗殺者です』って答えたりしないから『暗殺者』が成り立つのかと思ってたけど違うんだね」
クスクス笑って云い返す。
確かにその通りだと納得するカルマ以外の3人。
「確かにね。暗殺は言い過ぎかもしれない。でも暗殺者とは言わないけど殺し屋って名乗りはするでしょ?」
「ふむ」
アリスが口元に手をやる。
「殺し屋って教えないと依頼が来ないから、かな?」
「正解ー」
赤羽が笑いながら云う。
「で?殺し屋なの?」
「え?本気で訊いてるの?」
アリスが質問を質問で返したその時だった。
ガサッ!
「「「「!」」」」
物音と共に、何かが目の前に現れた。
「「「殺せんせー」」」
「えっ……」
現れたのは彼らが担任。
通称『殺せんせー』
カルマだけがアリスから目を離さなかった。
アリスは驚いた顔をして「今、先生って云った…?」と呟いている。
「今日からの登校と聞いてましたが完全に遅刻ですよ夢宮アリスさん」
「………日本語喋ってる…」
とても演技には見えない驚きの表情のまま。
然し、殺せんせーから目を離さないアリス。
「………この人が担任なの?」
「そうだよ。知らなかったの?」
指を指しながら一番近くに居たカルマに話し掛けるアリス。
質問するときだけカルマの方を向いた顔は、カルマの返答を聞くと同時に殺せんせーの方へ戻った。
「…『初めて見る様な人物が担任だよ』とは聞いてたんだけど……一寸想像とは違ったと云うか…何か…人間の体を表してすらいないと云うか…え?」
アリスは本気で混乱している様だ。
ねぇカルマ君。夢宮さん、本当に只の転校生なんじゃ
俺も今、そう思ったトコ。
4人はヒソヒソと話を始めた。