第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「会いたかっ……」
漸く顔を上げたアリスは泣いていた。
太宰はその涙を優しく拭ってやる。
そして唇を重ねた。
何度も、何度も。
お互いの存在が嘘でない事を確かめ合うように――。
―――
「んぅ……」
アリスはふと目を覚ました。
「治……?」
隣にあった筈の気配がないことに気付き、未だボーッとする頭で身体を起こす。
「うぅ……寒いっ」
何も纏ってない状態だったことに気付き、近くにあったトレーナーを羽織ろうと手繰り寄せたその時だった。
「……あれ?起きていたのかい?」
「!」
アリスの視線がトレーナーから声の方に移る。
立っているのは買い物袋を下げている太宰。
「……おはよう治兄」
そう云って再びトレーナーに手を伸ばしたアリスだったが、袋を置いた太宰にそれを阻まれる。
「寒いってば!」
「温めてあげるよ」
「ひゃあ!?」
帰ってきたばかりだったのだろう。
冷えた手でアリスに触れた為、素っ頓狂な声を上げるアリス。
太宰はそんなことお構いなしにアリスの身体をまさぐる。
「ちょっ……!治!シャワーも浴びてないから駄目だってば!」
「いいよ、そんなの。てっきりワンダーランドのせいで寝入ってしまってると思ってたから大人しく買い物に行ってきただけで只寝てるだけなら……こうしてた」
「っ!」
アリスの抵抗に手を止めるどころか、自らも服を脱ぎ出して布団に押し倒す。
「未だ全然足りてないから覚悟してね?」
「………うん」
「……。」
普段ならば此処から更なる抵抗をみせるアリスだが、すんなりと太宰に従う。
太宰も一瞬だけ驚いたが、直ぐに笑みを浮かべて行動に移った―――。
あれから暫くして2人で風呂に浸かっている。
「何を買ってきたの?」
太宰に背中を預ける様にして座っているアリス。
「んー?アリスが予約していたケーキを受け取ってきたのと食材を少し」
「ケーキ!?」
完全に忘れていたのか。
目を輝かせて喜ぶと太宰の方に向き直り、抱き着く。
「ふふっ惚れ直したかい?」
「うんうん!有難う治兄」
アリスの頭を撫でていた手を止め
「……減点」
ムッとした表情で頬をつねる。
「うー……ごめんなさい治」