第18章 異世界コラボ~銀魂編~
―――
新八は急いで太宰の部屋に戻った。
最初から、姉上が目的じゃなかったんだ!
「姉上!!!」
扉を開けながら、叫んだ。
ドカドカと部屋に上がり、居間へ行く。
「!?」
「し……新ちゃん!?」
帰宅していた2人。
窓際で、とても近い距離で座っていた。
「やあ新八君。鍋パーティーに参加してたんじゃなかったの?」
「っ!」
妙の首から提げられたネックレスの石が、赤く光っている。
新八にはその光が、とても怪しいものに見えた。
その光に照らされる太宰の顔がそう見えたせいかもしれない。
そんな表情なのに。
妙の肩に手を回している太宰に苛立ちを覚える。
「姉上!駄目です!離れて下さい!」
「えっ!?」
そう云って妙の手を取ろうと手を伸ばした。
ふふっ。
凡てを察している様に太宰が笑う。
そして。
トンッ
「!?」
「!」
新八の方に妙を押した。
新八の指が石に触れる――――。
カッ!!!
「「!?」」
一瞬で目映い光に包まれる。
「楽しかったけどお別れだよ」
此れが2人が最期に聴いた太宰の声だった―――。
「うっ……?此処は……?」
「……。」
光が収まって現れたのは、勿論、志村姉弟ではなかった。
「私の部屋だよ、敦君」
「!?太宰さん!!ってことは僕達、帰ってこれたんですね!」
「ふふっ。無事に成功して良かった」
笑いながら敦の頭を撫でる。
「ハハ……帰って…来れた」
「皆、谷崎君の家に居るよ。顔を見せてき給え」
「はいっ!」
笑顔で敦に手を振って見送ると、玄関の鍵を閉めて居間に戻った。
「……。」
やっと戻ってきたと云うのに。
未だに一言も発することなく俯いたまま立っているアリスに歩み寄る。
「……。」
太宰も何も言わずにアリスを抱き寄せた。
しかしアリスの反応は、無い。
「……帰ってこれないかと思った」
暫くして、漸くアリスが口を開いた。
そのポツリと呟いた声に太宰がピクッと反応する。
「そんなに信用無いかい?私は」
「治が如何こうじゃない……私が……私は」
やっと現実に戻ってきたのか。
アリスが太宰にしがみつく。太宰もそれに応えるように更に腕に力を込めた。