第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「そんな……」
しかし、回転は止めていないようだ。
「そんな女性、今まで一度も……………」
そう呟いた瞬間に一人の少女が頭を過る。
「…………会えないでいるからな」
「!」
ポソッといった国木田の言葉を聞いて背中に悪寒が走った。
『私は望んだものを手に入れたいと思ったら手段は選ばないと云うことを、だよ』
あの時太宰が云った言葉の、本当の意味が判った。
そして、
「っ!」
新八は谷崎の家から飛び出していった。
バタンと大きな音を立ててドアが閉まると同時に黒い影が国木田の背後で蠢く。
「上手く行くかねェ……」
「あの慌てようでは太宰の演技は完璧なものだったみたいですしね」
「太宰さん……悪役」
「ハハハ……」
「無事に戻って来れるかしら……」
心配そうに呟くナオミの頭を撫でる谷崎。
皆で部屋の明かりを点け、居間に移動する。
「与謝野さん。此れ、お返ししますわ」
「ン」
そう云ってナオミが渡したのは薬瓶。
―――新八の食器にだけ一服盛り、今の状況を作り出していたのだ。
最初から仕組まれたシチュエーション。
「此処までは上手く行った。後は太宰次第だな」
「そうだねェー。アリス達側は抜かるワケ無いだろうし」
鏡花にお酌してもらいながら時計を見る大人2人。
「そろそろだな」