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【文スト】不思議の国の異能少女

第18章 異世界コラボ~銀魂編~


皆が寝静まった頃、妙は縁側で1つの封筒を開けた。

宴会の間に神楽に渡されたものだ。

見覚えのある封筒から、見覚えのある便箋を取り出す。


「……。」


月明かりで照らしながら2枚にわたる手紙を読む。
そして、静かに微笑んだ。


『志村妙様
初めまして。アリスと云います。貴女がこの手紙を読む頃には私は貴女の好い人だった人の元に戻っている頃でしょう。恐らく、私が治の恋人であることも、元の世界に戻るために自分が利用されたことも貴女は気付いている事でしょう。貴女を利用してでも治の元に戻りたかったのは私の方。決して治を恨まないで下さい。 アリス』

『夢で会ってしまいましたね。本当は貴女に会う気など無かった。会えば自分が子供だと思い知らされる事が判っていたから。逆に貴女は私の想像を遥かに越える程、大人でした。自己犠牲の選択を躊躇わずに選べる素敵な人。貴女がその選択を迷わなかったから私も躊躇うこと無く、帰る手筈を整えることができました。有難うございます。そして、こんな卑怯な手段を取ってご免なさい。
どうか良縁に恵まれんことを心から御祈り申し上げます』


「姉上……」

何時の間にか新八がやって来ていた。宴会場に姿が見えない妙を探していたのだろう。


「ふふっ。本当は解ってたんですよ。アリスちゃんの代わりなんか務まらないことも、太宰さんが私の手に負えない様な人だということも」

「……。」


言いながら手紙を大事そうに仕舞った。



「やっぱり此処が一番落ち着くわよね、新ちゃん」

「はい、姉上」


2人は笑顔でそう云うと、皆の居る宴会場へと戻っていった―――。
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