第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「退いて」
「どうやって柵から出た?」
「如何でもいいでしょ。退いて」
アリスの声音に怒気が含まれる。
「ボスの目に狂いはないようだな」
「!」
男は素早くガスマスクを嵌めて、何かをアリスに向かって投げつけた。
プシュゥウウウ……
昨日、敦達に使ったのと同じ催眠ガスだ。
これでこのガキも―――
「異能力―――『ワンダーランド』」
「?」
アリスの声が響いた
次の瞬間には………
「グッ…………ァ」
男は壁にめり込んでいた。
―――
「何だ!?この虎!」
「白虎……神様にそんなやつ居ませんでしたっけ?」
「だから全然刀が効かないつーの!?斬っても直ぐに怪我が治ってんじゃん!?」
斬りつけては間合いをとってを繰り返す3人だが、目の前に立ちはだかる巨大な虎は衰える気配を全く見せない。
「こりゃ一気に首を落とすしか無いですかねェ」
「……神様だったら祟られるんじゃね?」
「よろず屋……テメーに美味しいところくれてやる」
そう言うと自らの刀を銀時に渡す土方。
「ハァァァ!?俺は洞爺湖の神様から授かったコレ以外無理だからァァァァ。なに?大串くんってばまさか神様の祟りが怖いわけ!?ぷぷぷっ」
「ハァァァ!?誰がそんなの怖いかよ!俺はテメーの活躍の無さを心配してだな!?」
下らない争いを始める2人。
其れを見逃さない白虎は
グオオォォォオオ!!
「「!?」」
二人に向かって飛び掛かってきた。
迎え撃つ姿勢を構えた2人。
「チッ!」
「神様がなんぼのもんじゃァァァァ!」
「駄目ッ!あっくん!!」
「「!?」」
アリスの声が響いた。
間違いなく敦と言った声に反応したせいか
「ガッ!」
「ぁ!」
二人とも繰り出された手により、凄い勢いで弾き飛ばされる。
「土方さん!旦那!」
が、壁には衝突しなかった。
「「?」」
その寸前で止まったのだ。
何が起こったのか解らないまま呆然とする2人。
其処に沖田が駆け付ける。
「怪我は!?」
「いや……え?」
「……どうなってる?」
呟いた後に白虎の方を、3人揃って向く。
「「「!」」」
白虎の前に立っているのは先刻分かれたアリスだ。