第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「―――以上だ。合図次第で突入する」
土方が手短に最終確認を行い、数名を除く全員が神妙な面持ちで頷く。
「ねえアリスちゃん本当に行くの?どう見たって手ぶらだけど!?」
銀時が心配そうにツッコミを入れる。
「私は刀とか他の武器とか扱ったこと無いから持ってたって逆に邪魔になるだけだよ」
「えっ!?じゃあ神楽みたいに撃たれても直ぐに傷が塞がったり、蹴りだけで壁を砕いちゃったりする程の強靭な体の持ち主なの!?」
「神楽ちゃんってあんな小さい身体でそんなことが出来るのかー」
「銀さんの質問に答えようねー!?」
「大丈夫だよ。そんなに心配しなくても。足手まといには成らない」
「……。」
ニッコリ笑って云うアリスを眉間にシワを寄せて見る銀時。
そしてチラリと真選組の連中に視線を寄越すも、沖田以外が目を反らした。
その実力を目の当たりにでもしたのだろうか―――?
その考えが浮かび、それ以上は何も言わなかった。
「そろそろかなー」
アリスが呟いたと同時に。
「「!」」
指定された倉庫の入り口が開き、中から一人だけが出てくる。
以前、デパートの屋上で会った連中の一人のようだ。
あの時のリーダー格の男ではない、か。
アリスが沖田と銀時を見る。
二人もコクリと頷く。
此方も土方のみ、男に近づく。
「我々の仲間はどうした」
「人質の解放の方が先だ」
お互い引かない。
辺りに緊張が走る――。
「後は手筈通りに」
アリスが云うと、沖田を除く1番隊が構えをとる。
沖田と銀時、そしてアリスは交渉を行っている二人の横を走って倉庫の中に入っていった。
其れを見届けて土方が合図を出す。
「交渉は決裂だな」
「はっ!テメェ等も守る気無かっただろうが」
闘いが、始まりを告げた―――。