第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「……そんなんでホントに帰れるんで?」
「判らない……。今までの時間を費やして妙さんを利用する手筈を整えてるんだけど」
「………。」
「それを実行しているのは打ち合わせを全くしていない探偵社の人達……確証は無いよ」
「夢の中でそのネックレスのことを説明すれば良かったんじゃ?」
「それも考えたんだけどね……。私達側は簡単だけど向こう側は難しい」
「何で」
沖田が真顔で問う。
「ネックレスの条件にもあったけど『入れ替わるのと反対のことをすれば往復出来る』……私が思うにあの状況からして妙さんと新八君は『此処から去りたい』と思ってた筈」
「確かに襲われてればその可能性は高いですねィ」
「私達の方は仕事に行かなきゃ行けなかったのに話しが盛り上がってて少なからず『此処に留まりたい』と思っていた」
「………ってことは今、向こう側は『此処に留まりたい』って思わせなきゃいけない状況にあるってことか」
「そう。でも普通に考えて住み慣れた所から自分達の意思に関係なく離された状況で『留まりたい』なんて思うわけがない。過ごしてみて判ったけど此処は普通に良いところだもん」
「………それで姐さんを『利用している』と?」
「そう。向こう側は私なんか足元に及ばないほど頭がキレる人ばかり。しかも、ずば抜けた推理力を持つ人が2人も存在する。きっと『同じこと』か『反対のこと』を……なんて事すらも迷わずに『反対のこと』を選んで実行していると思うから……」
「何でそう言い切れる?」
素朴な疑問。
真顔で沖田が問う。
「あっくんが初日、夢で二人に会ったって云ってたでしょ?その時、二人は私が一緒に住んでた人の所に居候しているって云ってたんだ」
「治兄とやらですかィ?」
「そう。そのずば抜けた推理力を持つ内の一人で、目的のためには手段を問わない……見た目は優男のくせに腹と頭の中は真っ黒な、元マフィアの幹部様なんだ」
アリスは苦笑する。
「それと留まりたいと思わせることに何の関係が……」
「可笑しいと思わない?此処は警察だからって理由が付けられるけど、私の職場には勿論、女性も居るんだよ?それなのに男と居候させるなんて」
「……なんとなく読めてきやした」
沖田が一息着いた。