第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「大抵の場合、そうなることは判ってるよ」
「大抵の場合の事は知らないけど、今回はそうしか為らない」
「何で?」
アリスの横から銀時が代わりに訊ねる。
「人質を交換するなんて一言も云ってなかったよ。『来なかったら神楽ちゃんを殺す』って云ってただけで」
「「……。」」
取引の事を思い出しているのか。
銀時は黙り込む。
「ネックレスが完成したってことは神楽ちゃんを犠牲に他の夜兎を呼び出す心算なのは変わってない筈。詰まり、他の夜兎と引き換えに神楽ちゃんが死者の位置に替わることは本当……殺すと云う脅しも嘘じゃない」
「「…………」」
土方も何も云わずに話を聞いている。
「アリスちゃんは『武装探偵社』の社員だって言ってたね」
「一応」
「こういった場面の時、どうしてるの?」
「近藤さん!?」
何考えて!と紡ぐ筈の言葉を近藤に遮られる土方。
「助けに行くんじゃないかな?」
「曖昧だな」
「私は『仲間だから』とか、そういう感情は判らない。動くように云われれば動いてただけで理由なんか知らない」
「じゃあ助けに行くことが決まったとして。作戦はどうする?」
「うーん………」
アリスが腕を組む。
全員が黙って注目した。
「今回の場合、相手が現れる場所と時間が判ってるから考えることなんかないと思うけど」
「人質云々の話をしてたのを忘れたのか?小娘」
「忘れてないよ。でも私たちはあくまで武装組織であって警察に在らず。逮捕された連中を引き合いに出されたところで連れていけるわけないでしょ?そんな権限なんかないんだから」
「「………。」」
確かにー!
銀時がプッと吹き出す。其れを土方が睨み付けた。
「交換に応じようといまいと戦闘は避けられない。其れならば交渉のことよりも潜入の想像訓練でもした方が良いんじゃない?」
あまりにも正論だったからか。
その場は一瞬、シンとなった。
その静寂を破ったのは沖田だった――。
「……其れまでチャイナと敦くんが無事な確率は?」
「生死だけで良いなら百パーセント生きてる。先刻も云ったけどあの連中は嘘は云ってなかった」
「何でそんなことが判るの?」
「私の猫は万能だから」
「「?」」
ニッコリと笑って告げたアリスに、沖田以外の全員が疑問符を浮かべた。