第18章 異世界コラボ~銀魂編~
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「あれで私と1つ上なんて世の中不公平だなー」
のそりと起き上がって布団を畳むアリス。
気を使ったのか。
そこに敦の姿は無かった。
「お昼かー。あっくん、居ないってことはご飯でも食べにいっちゃったかな?」
そういうとアリスはこたつを出して余っていたレターセットを取り出した。
新たに手紙を書いたり、蜜柑を食べたり。
そして、地球語じゃない書類を眺めたりしながら。
気がつけば午後6時になっていた。
異変に気付くには遅すぎた―――。
「遅いなーあっくん」
屯所の庭で冬の空を見上げる。
夜と呼ぶには早すぎるが、空は既に星が瞬いていた。
「あれっ!アリスちゃん!」
「んー?」
声をした方を向く。
其処に居たのは屯所には似合わない人物をつれた沖田の姿だった。
「銀ちゃん、総君」
「……チャイナと出掛けてたんじゃ無かったのかィ?」
「神楽ちゃん?ううん。私は今日は会ってないよ」
「ってことは敦くんと二人だったってことか?」
「あー。その可能性は高いね。私が寝ちゃってたから気を使ってお出掛けしてるみたいだし」
「「……。」」
銀時と沖田が顔を見合わせる。
「どしたの?」
神楽が男と二人きりで出掛けたことに不満があったのだろうか?
アリスは複雑な顔をした二人に問うた。
「まだ帰ってきてないんで?」
「うん。そんなに心配しなくてもあっくんは神楽ちゃんの保護者みたいに出掛けて……」
「いや。そんな心配はしてないって。でも、敦くんなら暗くなる前に帰してくれそうだろ?」
「……。」
銀時の言葉に沖田も同意する様に頷く。
そして、アリスも「確かに」と思った。
急に過る嫌な予感―――。
「………もしかして」
アリスはそう呟くとトンッと地面を蹴った。
「「!?」」
軽く跳ねただけで屋根に登ってしまったアリスに驚く2人。
何をするか分かりもせずに只、アリスを見上げた。
しかし、直ぐに降りてくる。
「駄目だ。もう少し広い範囲を見渡せる場所じゃないと見付からない」
「そんなことよりも銀さんは難なく屋根を登り降り出来たことの方が気になるんだけど」
「そんなの後でもいいでしょ」
呆れ顔でツッコミを入れた。