第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「まあ。貴女も私の想像よりかはずっと大人っぽい事が判ったから善しとするわ」
「そうかしら。なんだか照れるわね」
妙はクスクス笑って云う。
「そろそろお昼か」
「え?何で判るの?」
「時計があるから」
サラリと云った。
「貴女が呼ぶから私は此処に来た。だから貴女も私の望みを訊いてくれないかな?」
「え…私にできることなら……」
「只、質問に答えてくれればいい」
「それくらいなら……なにかしら?」
妙がそういうとアリスはニッコリ笑った。
「貴女は『大切にしたいもの』と『大切にしなければいけないもの』の結末が正反対の位置にある時、どちらを選ぶ?」
「そんなこと」
妙はフッと笑った。
そして
「勿論、『大切にしなければいけないもの』を選ぶわ」
即答した。
「……。」
その答えを聞いて黙るアリス。
「どうしてそんなこと聞くのかしら?」
「私は子供だから」
「え?」
今のは答えだったのだろうか?
「貴女は大人だね」
アリスはクスクス笑った。そして続ける。
「そして、私は子供だから絶対に『大切にしたいもの』を選ぶ」
「それも決して悪いことじゃないと思う」
「そうだね。でもこの選択肢は必ず他者の犠牲を伴う」
「……。」
「『大切にしなければいけないもの』を……自己犠牲を選ぶ貴女の方は大人だと云える。それが判っただけで私は貴女に会えて良かった」
作ったりしてない。
満面の笑みでアリスは云った。
「そろそろ戻らないと治兄が帰ってくる頃だよ?」
「えっ!?」
突然出てきた第3者の名前に思わず反応してしまう妙。
「体調不良なんでしょ?」
「ええ……でもっ、何で?」
「治兄がモテる理由は美人に優しいからだからね」
クスクス笑って云う。
「きっと心配して仕事を抜け出して様子を見に来る頃だよ」
「……貴女もそんなことが……?」
「無いよ。1度足りとも」
「え………」
「心配だからって様子を見に帰って来ることなんて1度も無い」
ニッコリ笑った瞬間にアリスの姿が薄れていく。
「あっ!」
「さようならー」
アリスは姿を消した―――。