第18章 異世界コラボ~銀魂編~
―――
「どういうことかしら?」
熱があったため布団で横になっていた妙は『白の空間』に居ることに驚いていた。
太宰たちが出勤してから暫くは起きていたもののいつの間にか眠ってしまったのだろう。
いや、そんなことよりもだ。
「敦さんも寝込んでるのかしら」
夢の中だからか。
現実では重かった身体が嘘のように軽いことをいいことに妙は何もない空間を歩き出した。
どれくらい経ったのだろうか。
「おかしいわね」
30分程、歩き回った積もりだった。
しかし、やはり何もない―――。
はあ。
「もしかしたらアリスちゃんに会えるかもって思ったんだけど………」
妙は息を吐いて座り込んだ。
その時だった。
「何で私に会いたいの?」
「り、理由なん…………!?」
声がした。
妙は慌ててその方向を振り向く。
「あ………」
立っていたのは可愛らしい少女だった。
「初めましてお妙さん」
「……貴女が……アリスちゃん?」
「そうだよ」
アリスはニッコリ笑っていった。
「えっと……」
会ってみたいと思っていた。
しかし、会話が見付からなかった。
そう。
只、アリスの姿を見たかっただけ―――。
「ここ最近、ずっと私を呼ぶ声がしてた。貴女だったのね」
「え?」
ずっと呼んでいた?
私が?
「………自覚なしか。面倒くさいなあ」
アリスが云う。
「何でこんな時間に眠ってるの?」
「あ……えっと。体調を崩してしまって」
「ふーん」
「アリスちゃんこそ。まだお昼前じゃないの?」
「そうだよ。私が此処に来た理由は『貴女の声が煩かったから』」
「!」
アリスはうんざりしたように答えた。
「それで?自覚ありか無自覚だったのかは知らないけど私に何か用?」
「いや、用なんて!ただっ…皆が太宰さんの妹みたいで愛らしいって云ってたから会ってみたくて…」
「……。」
アリスは少し黙った。
「で?会ってみた感想は?」
「聞いてた通りよ。神楽ちゃんより少し幼いかしら?本当に可愛らしいわ」
「ふーん。その反応だと思っていたよりも大分幼かったみたいね、私」
「!」
図星の様だった。