第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「えっと……」
敦は困った。
アリスは確か、手紙を書く話しになったときに「ケーキを予約していたことを思い出した」と云っていた。
しかし、その後の話し振りだと新八たちとの接触を望んでおり、その理由は帰るタイミングを報せたいと思わせる話し振りだった。
でもアリスちゃんは手紙を渡す以外、新八君と話しもしていない―――………。
となると、だ。
手紙には帰る日取りを報せる内容が書いてあるのではないか?
それをうっかり見てしまえば、自分ですら判らない計画が狂ってしまう可能性もあるのではないか?
そんな葛藤を知ってか知らずか。
「僕、今日アリスちゃんを見て安心しました」
「え?」
新八が声を掛けた。
「太宰さんの妹みたいな子と聞いてましたが、もっと歳上の……姉上くらいの子を想像していたんです」
「あ……そうなんだ」
「もしかしたらアリスちゃんが太宰さんの恋人ならば姉上は傷ついてしまう…最近の姉上を見ててそう思ったんです」
「お姉さん想いだね」
「姉上には苦労を掛けてばかりですから幸せになって貰いたいんですよ」
少し照れたように笑う新八。
「でもアリスちゃんを実際に見て、安心しました。太宰さんの云っていたことは本当だったし皆さんから聞いていた通り、アリスちゃんは神楽ちゃんよりも幼く見える妹みたいな子だった」
「……。」
疑問が頭をよぎった。
太宰さんは一体、何を云ったのだろうか?
「どうかしました?」
敦が黙ったのを不思議そうに見る新八。
「あ、いやっ!太宰さんはアリスちゃんのことを何て云ってるのか気になって!ほら、いつも目を離すとアリスちゃんは直ぐに居なくなったりするからっ!」
仕舞った!
そう思ったときには口に出してしまっていた。
そこで、ここ最近の自分の実体験を然も太宰のことのように訊ねることで誤魔化す敦。
太宰がアリスの行動をマイナスに捉えることなど無いだろうに。
「手の掛かる妹のように愛らしいって云ってましたよ」
「!そっか」
「そう言えば僕も訊きたいことがあるんですけど」
「何ですか?」
「太宰さんの前職って何です?」
「……。」
何故、こんなことを訊くのだろうか。
試されている?