第18章 異世界コラボ~銀魂編~
それから更に3日が経った。
ネックレスの密輸―――
いや、ネックレスの開発の手引きをしていた連中も警戒しているのか、或いは慎重になってるのか。
何の音沙汰もなく、時間だけが過ぎていった。
「もう2時間もすれば22日か」
目を閉じて。
自分の中にある『時計』を確認しながらアリスは溜め息を着いた。
敦は既に眠っている。
アリスが新八に会うことを望んでいるから。
その姿を見て、クスリと笑った。
「今日は繋がったかな―?」
異能力――ワンダーランド
敦にそっと触れながらアリスは目を閉じた。
「『マッドティーパーティー』」
そう呟いた瞬間に、二人は部屋から忽然と姿を消したのだった。
―――
アリスが立っているのは赤と黒と白が基調の。
部屋と呼ぶには異質の空間だった。
『狂ったお茶会』―――
アリスの異能力で出来る事の1つで
その内容は、異空間の創造だ。
発動時に居た空間………
今回の場合は「借りている屯所の一室」の大きさと同じ規模の異空間だ。
この異空間においてアリスは『絶対』のルール。
アリスがこの空間を『お風呂場』とするならば、その部屋は忽ち風呂場と化すし、『寝室』を望むなら夜と同じように暗い部屋になる。
空間を形成している6面には各々、ベッドが生えていたり、ティーセットの置かれたテーブルが生えていたり。
恰も、6面凡てが天井であり、地面で有り得るモノの配置。
無茶が平然と通る程ことが『当たり前』な異常な空間。
その空間に敦を「招待」したのだ。
敦は豪華なベッドで目を覚ますことなく横たわっている。
「ドーマウス。あっくんの夢を私に見せて」
アリス曰く。
この『狂ったお茶会』の形成に力を貸しているのは2人。
『眠りネズミ』と『狂った帽子屋』とアリスは呼んでいる。
それは認識出来ないけれど
アリスの中に確かに居る存在。
アリスの異能力そのもの。
――――敦の中に存在する『白虎』と同じモノだ。
敦の中に白虎は一匹。
アリスの中に居る『住人』は複数人。
その複数人が、各々違うことが出来るから
アリスは様々な事が出来るのかもしれない。