第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「『昨日』の私の力は負担が大きいんだ」
「「!」」
沖田と土方が目を見開く。
取り調べを幽霊云々で解決した話を聞いていた近藤も真剣な顔をする。
しかし、霊視などのことを言っているのではないことを沖田だけは知っていた。
何もない暗闇に明かりを灯し、逃げるため開けて入った扉は別の場所へと繋がっていた。
信じ難いけど信じざるを得ない現象。
確かに。
それは簡単に起こせるとは思えないモノばかりだった。
「その力を回復する『術』が此方側にないから倒れちゃうかも知れない。前も力の使い過ぎで倒れちゃったことがあるから」
「……どうにかならねぇんですかィ?」
沖田の顔は険しい。
本当に心配してくれているのだろう。
「大丈夫だよ。あっくんが心配性なだけだから」
ニッコリ笑ってアリスは答えた。
食事を終えて、アリスは自室に戻っていった。
一人になった敦を沖田と土方が引き留める。
「おい…本当に大丈夫なんだろうな!?」
土方が凄い勢いで迫る。
何故、土方さんがこうも気にするのだろう?
疑問に思ったが先程のこともあり口には出さなかった。ははは……と乾いた笑いをあげる。
「はい。多分、大丈夫です。本人もそう云ってますから」
「ならいいが……」
「また取り憑かれたら除霊を頼まねーといけねェですからねィ」
「俺は幽霊なんぞ信じてねーよ!」
そういうと二人は朝礼に向かっていった。
幽霊って何の話だろう?
疑問だけを浮かべて敦も部屋へ戻った。
襖を開けると丁度、手紙を書き終えたのか。
アリスが便箋を封筒に入れているところだった。
「これでよし」
「お手紙?」
「うん。治兄に」
「この間、書いてなかった?」
「昨日判ったことを追記したんだよ」
「成る程…」
しかし、どうやって手紙を届けるのだろうか?
訊ねようとして、
「あっくん」
「なに?」
出来なかった。
「今、時計の針は『2』を指してる」
「……2……」
アリスの中の時計。
力の代償に『アリス自らの時を停止させる時間』を表す時計だ。
思っていたよりも針は進んでいなかった。
敦は安堵する。
「云うほど力を使ったりしてないから心配しないで」