第18章 異世界コラボ~銀魂編~
パチッ
「!」
アリスが突然、目を覚ました。
「…寝ちゃってたか」
ムクリと起き上がって、ポツリと呟く。
「おはよーあっくん……ってどうしたの?」
「いやっ……布団掛けようとしたんだけど………ごめん。起こしちゃったみたいだね」
手を伸ばした姿勢で固まっている敦が苦笑しながら答えた。
―――
「へー。昨日は姐さん達に会えたんですかィ」
「はい。お二人とも元気でしたよ」
「お妙さんんんんっ!ああ!あなたに会えない日がこんなに辛いものだとは!」
ビクッ!
近藤の突然の叫びに敦が驚く。
「あっくん」
「なに?アリスちゃん」
そんな近藤の声を聞いていないかのようにアリスはおかずの魚の骨を取りながら敦に話しかける。
「髪型。どうだった?」
「え?ああ。アリスちゃんがしたままの格好だったから沢山笑われたよ」
「そっか」
ポツリと「思った通り、か」と続けたアリスの声を正確に拾ったのか。
ピクッ
目の前で食事していた沖田がアリスの方を見た。
それに気づいてアリスは笑顔を返す。
「ご飯食べたら何しようかなー」
「今日は出掛けないで此処で休もう?でないとまたアリスちゃ」
「あっくん」
「!」
続きを本人に遮られる。
全員の注目がアリスに注がれていた。
「『また』、なんですかィ?」
そして、沖田が指摘した。
「え……と…」
「……。」
ちらりとアリスを見ると不機嫌そうな顔をしていた。
敦は漸く『知られたくなかった事』を口走ってしまったことに気がついた。
そうかもしれない。
此処にアリスが本当に休まる場所など存在しない。
アリスは探偵社に居るときですら
『太宰が傍に居なければ』眠ったりしないのだから。
故に
休まないのではなく、休めないのだ。
今更、その事を理解して発言を撤回することは出来ない。
敦が狼狽し始めたのを見てアリスは大きな溜め息を着いた。
「心配してくれるのは有り難いけど此処じゃ無理なんだよ」
「ごめん。本当に」
敦が困った顔をする。
そして、アリスは何がなんだか分からずに二人を見ていた沖田達の方を向いた。