第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「治兄ってのがアリスの恋人ですかィ」
「はい。凄く仲良しなんですよ」
「ふーん…」
「恐らくアリスちゃんや僕が戻るために色々な手を打ってると思います」
「アリスの恋人やってるってことは只者じゃないんだろ?」
「ははは……鋭いですね」
敦は苦笑する。
「まあいいや。敦君も風呂に入ってきなせェ」
俺も失礼しやすぜ、といって沖田は部屋を出ていった。
入浴後。
敦は再びアリスに髪を弄られて目を閉じた。
その夢の中で志村姉弟と久しぶりに会ったのだった。
『あっくん。私と治兄が恋人だってこと、今から判るかもしれないネックレスのことを決して話さないで』
アリスの言葉が脳内で反芻する。
それを戒めに当たり障りのない会話をする敦。
「ねえ敦さん。アリスちゃんには会えないのかしら?」
「え?」
突然問われた言葉。
「ほらっ。折角だもの。アリスちゃんにも会ってみたいの」
慌てたように理由を云う妙に首を傾げる。
「アリスちゃんは睡魔を操れるから今は寝たくないのかもしれないですね」
どうして急にアリスちゃんに会いたいなんて言い出したのだろうか?
「そうなのね……。太宰さんの妹みたいっていうから会ってみたかったのに」
「写真でもあれば良かったんでしょうけどアリスちゃん、写真好きじゃないですもんね」
何となく。
『ただ、会いたいだけ』ではないことを悟った敦はそれらしいことだけ云った。
「その髪はアリスちゃんがしたんですか?」
「そうなんです。悪戯も大好きだから」
「悪戯と言えば銀さんや神楽ちゃんは―――」
新八もそう思ったのだろうか。
アリスの話題から遠ざけて話始めた。
―――
チュンチュン……
「朝、か」
ゆっくりと身体を起こし直ぐに隣を見る。
「あれ……寝てる?」
アリスが眠っているのだ。
否。
敦は直ぐに考えを否定した。
久しぶりに力を沢山使っていた。
昨日に至っては僕達を逃がすために空間を繋げたりしている。
恐らく、眠っているけど眠っていない。
この眠りは『力の代償』なのだろう。
「アリスちゃん…」
敦がアリスの方に手を伸ばした