第18章 異世界コラボ~銀魂編~
上の家はフェイクで此処が本拠地なのだろう。
壁には扉が2つ。
トイレと、ベッドだけがある小さな部屋がある。
「未だ黒幕はあの男が捕まったことを知らないみたいだね」
「えぇ!?ってことは鉢合わせる可能性もあるの!?」
「早いところ資料を探しましょう」
山積みされた資料を漁り始めた。
暫く色々物色する。
「ネックレスもまだまだいっぱいあっても良さそうなのになー……ん?」
目についたのは持ち運び式の金庫。
「意外と重いな…………」
「「!?」」
ガスガスッ
自分達の入ってきた方から物音が聴こえる。
「もうきたか」
「どどどどどうするんです!?」
「落ち着きなせェ」
そういうと柄に手を掛ける沖田。
「総くん。欲しい資料は手に入った?」
「まだ目を通してねぇがこの辺を持ち帰りたいですねィ」
「あっくん、抱えるの手伝ってあげて」
「う、うん」
沖田が指示する資料を持ち抱える。
そうこうしているうちにアリスが懐から取り出したライターで一冊の本を焼き始める。
ガッ!ガッ!
必死に開けようとしている音がする。
扉が開くのも時間の問題だ。
「総くん。その扉を開けて」
「?」
言われるがまま、ベッドだけの部屋の扉を開けた。
アリスが本を投げる。
ガコン!
「開いたぞ!」
「急いで降りろよ!」
開いた!?
「「!?」」
沖田と敦の顔に緊張が走る。
「扉に入って!」
アリスが小声で指示すると二人はベッドの部屋へ行った。
ゴウッ!
火の勢いが増したのを確認してアリスもドアを潜り、閉めた。
「ちっ!此処はダメだ!」
「なっ!?おい!引き上げるぞ!」
―――
「何が……どうなってるんで?」
「ははは……」
確かにドアに入った。
立て籠ってやり過ごすつもりで居た。
しかし、今、3人が居るのは緊迫したあの部屋ではなく
「あー疲れた。コタツコタツー」
アリス達に貸していた屯所の一室だった。
「取り敢えず……お茶でも飲みます?」
敦の言葉で沖田も漸く動き出した。
「……あと幾つ出来ることがあるんですかィ?」
「私?うーん…幾つかなぁ?」
コテンと首をかしげてミカンを食べ始めるアリスだった。