第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「あのネックレスの力は『置換』。抑も入れ替わるのにどんな条件が必要なのかは詳しく判らないけど、『私達の例』に当て嵌めて考えると、両親と、その二人を引き殺した若者二人を入れ替えることで満たせる条件だったのではないかと推測できる」
「……。」
人数も性別も同じってことか。
敦と沖田は黙って聞いている。
「この実験が成功すれば『死者に関する情報』と『それに合う対象者』が揃えば死者を甦らせる事に成功したことになる」
「………理屈は分かりやした。だけど俺が訊きたいのはそんなことじゃ…」
「そこで神楽ちゃんだよ」
「!」
沖田が口をつぐんだ。
未だ話が終わってない事に納得したからだ。
「ちょっと調べたけど神楽ちゃんの父親は宇宙を飛び回るエイリアンハンター?って職業みたいだね」
「エイリアン……」
「兄が居るみたいだけど此方も行方不明。母親は幼少の頃病死している」
「あの子も苦労してたんだね……」
「だね」
敦の呟きにアリスが苦笑する。
「……それと何が関係……」
「『お母さんにもう一度会いたくないか?』って云われれば、あの子は何て返事するだろうね」
「「!?」」
沖田と敦が目を見開いてアリスを見る。
沖田なら分かる筈だ。
その問いに神楽が何て答えるかなど。
「母親と神楽ちゃんを入れ替える。そして母親に『娘を返して欲しければ思い付く限り、死んだ夜兎を思い出せ』とでも脅せば………」
「……夜兎族の復活が出来るって訳ですかィ」
「私達が初めて会った日、神楽ちゃんは特殊な拘束具のせいで抵抗できないと言っていた。彼等は夜兎を使役する準備も着々と整えてるよ」
話したいことを凡て話しきったのか。
アリスは少し冷めてしまった紅茶を一気に飲みきる。
「あくまで私の推測を話しただけだから合ってるかもしれないけど違うかもしれないし何とも言えない」
「いや、仮定にしてもきちんと筋が通った話だった」
「そう云ってもらえて嬉しいけど矢っ張り確証が欲しいでしょ?」
「そうですねェ」
アリスは未だ食べる気なのか。デザートのページを開く。
「総くん。もう1個ケーキ食べて良い?」
「どうぞ」
「わぁい」
笑顔で追加注文するアリス。