第18章 異世界コラボ~銀魂編~
ファミレス―――
沖田と向かい合うようにアリスと敦が座っている。
オムライスを食べ終わりデザートにケーキを食べるアリスと、コーヒーを飲んでいる沖田と敦。
「にしても土方のヤローがお化け嫌いってよく分かりやしたね」
「両親が見えるって言ったとき、土方さんの顔が歪んだからね」
成る程。
すげー観察眼だ。
沖田は持っていたカップを置いた。
「アリスちゃん。また急に居なくなるから」
「銀ちゃんと楽しそうに話してたし良いかなって思って」
クスクス笑ってケーキを頬張り、紅茶を飲む。
そして一息着いて、沖田の方を見た。
「総くん。さっきの続きだけど」
かちゃりとコップを置いて仕切り直すアリス。
「待ちなせェ。こんなところで話したら何処で聞かれてるか判らねェ」
それを沖田が慌てて制止する。
「心配ないよ。先刻もだけど音を拾えないようにするくらい私にとっては呼吸と同じくらい簡単なことだから」
「……は?」
ポカンとしている沖田に敦が苦笑する。
「音は見えないからアリスちゃんの異能の操作対象なんですよ」
「……。」
信じられないが信じざるを得ないとはこの事なのだろう。
この少女相手にこの手の常識は通じないのだ。
………信じがたいが。
そういうものだと割り切ることにした。
「……続けて下せェ」
「先刻は、えっと……」
「チャイナは夜兎族なのに――ってところまで聞きやした」
「ああ、そう。それね」
思い出したように云うと、先程の紙を渡すように促すアリス。
沖田はポケットに入れた紙を取り出した。
「うわっ……何コレ。暗号かなにか?」
「どっかの星の文字みたいだよ」
敦君が読めないとなるとアリス達の言語では無いということか。
二人のやり取りを見ながら考察する。
「漠然とした情報を元に個人を特定することは困難でしょ?」
「まあ……確かに」
「だからあの男に『両親』を生き返らせると唆したんだと仮定する」
「……。」
確かに両親ならハッキリと覚えているだろう。