第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「にしてもアリスは幽霊が見える人なんですかィ?」
「あはは。見えないよ、そんなもの」
あっさりと否定する。
「……嘘か」
「視ようと思えば見えるかもしれないけど視ないようにしてる、って云うのが正しいね」
「異能力とやらですかィ?」
「うん。私に害があれば無条件で見えるんだろうけど私は死者に攻撃されたことは一度もないから」
「ふーん」
沖田が適当に相槌を打つ。
「で、総くん。この間の取引の件なんだけど」
「!」
ピクッ
「実験内容が判った時点で、ある程度は予想ついてたんだけど正解だったみたい」
そう云ってポケットから紙を1枚取り出す。
「……何て書いてあるか分んねェや」
日本語ではなく……恐らく地球外語で書かれた文章。
難しいことでも書かれているのだろう。文字は紙一面にビッシリと整列して書かれている。
「ザッとしか読んでないけどその紙の一番上。大文字で書いてあるのがタイトルみたいだね」
「ザッとって……いや、そんなことより読めたのか?コレ」
「うん」
「……。」
沖田は紙をもう一度見直す。
駄目だ。やっぱり読めねーや。
そんなことを脳内で呟きながら考える。
確かにこの文章を手に入れたところで地球人に読めるものは殆ど居らず、翻訳にかけたところで暫く時間が掛かるだろう。
翻訳に掛けるとなると、この星に文字を問い合わせる必要がある。
そうすれば星は文書が漏れた事に気付き、その間に逃げる段取りを組むはずだ。
「その文章の題目は『夜兎族の復活』」
「!?」
アリスの一言で、今行った推理が凡て飛んだ。
「これで最近頻発している神楽ちゃんの誘拐事件も繋がったよ」
「……分かるように説明して下せェ。生者と死者を入れ替えるにしてもチャイナも夜兎じゃねーですか」
「そうだね。それ……」
「総悟」
アリスが説明を始めようとした時だった。
「「!?」」
後ろから不機嫌そうな声で話し掛けられる。
「大串さん」
「土方だ!」
「あははっ。素早いツッコミだねー」
土方の注意がアリスに行った瞬間に、沖田は紙を素早くしまった。
にしても何時から居たのか。
全く気付かなかったのだ。
もしかしたら今の会話も全部聞かれていたかもしれない。