第18章 異世界コラボ~銀魂編~
▲▲星――。
アリスの言う通り殺戮や暗殺が日常である。
その為、精神を病む連中が後を断たず、そのために開発された薬がどの国でも『違法薬物』とされているのだ。
逆に言えば、其れほどの環境で作られた『薬』と『武器』は求めるものにとっては宝のような存在。
故に全惑星において▲▲星との貿易は輸出のみとされている。
研究は、『薬』か『武器』――。
今回の要であるこのネックレスも元々は殺戮や暗殺のための武器として▲▲星では常用されていたものに、『更なる機能』を加えた試作品である事が、先日手に入れた書類から判明したのだ。
「ネックレスの主な用途は此れで分かったとして」
アリスは男に向き直る。
「貴方、両親が2年程前に他界したのね」
「!?」
中りのようだ。男の顔が引きつる。
「飲酒運転の車に突っ込まれて亡くなった」
「そっ………それがどうしたって言うんだよ」
明らかに動揺し始める。
「貴方たちがこの置換を用いてやろうとしていることは『死者と生者を入れ替える』実験なんでしょ?」
「何!?」
土方が大声で反応し、
「ふざけんな!何だテメー!」
男が勢いよく立ち上がった。
「違うの?」
アリスはコテンと首を傾げて問う。
「あー違うよ!人の両親の死と勝手な推理を結びつけやがって!」
男がフイッと外方向く。
「そっか。じゃあ関係無いね」
アリスは笑顔のまま、金槌を振り上げた。
「壊したきゃ壊せばいいだろ。俺には全く関係無い」
「そう?じゃあ遠慮無く」
パリーン
小気味良い音を立てて石が砕けていく。
「あ、そうそう」
パリーンッ…
「歌舞伎町■■ー■番地」
「!」
パリーンッ…
「此れは其処から拝借してきたんだけど、なんか色々と危なそうな実験機械も沢山あった」
パリーンッ…
「何だと!?」
土方が反応する。
「でも然して必要ないかなって思って」
パリーンッ……
「……思って?」
嫌な予感が、した。
「建物ごと燃やして処分してきちゃった」
満面の笑みで告げて、最後の一個に向けて金槌を振り翳した。
「はあ!?」
ゴッ!!
「ぎゃあっ!」
男が悲鳴を上げた。
ペンダントを庇って男が手を出したのだ。