第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「……よく入りますね」
「久しぶりの食料だから食い溜めしとかねーと」
「えぇ!?」
必死で蜜柑に食らいつく銀時。
敦が思わず大声を上げた。
「あの……良かったら袋に入れますけど」
「ホント!?いやぁー気が利くねぇーあっくん」
銀時がバシバシ叩きながらお礼を云う。
「アリスちゃんも有が…」
「!?」
お礼を言おうと銀時がアリスの方を向く。
否。
アリスが居た方を向いた。
「あれっ!?居ない!?」
「……出掛けちゃったみたいですね」
敦は溜め息を着いた。
―――
「ネタはあがってんだよ」
「……。」
取調室。
他の部屋とは違い、どこか薄暗く重たい空気が漂う一室で土方と沖田は件の男と対峙していた。
「中々しぶといですねィ」
さて、どうするかと呟いた沖田は柄に手を掛ける。
「……○○なんて名前はありふれているだろう。俺じゃない」
「しらばっくれたって一緒だ。証拠は上がってるって言ってんだろ!」
バンッ!
机を叩きながら怒鳴り散らす土方。
「じゃあその証拠とやらを提示しろよ!」
「っ!」
「無いんだろ!?その顔は!誤認逮捕も良いところだ、この無能集団共が!此処から出たら名誉毀損で訴えてやるからな!」
男が鼻で笑いながら言い返した。
実際、資料に書いてある○○という名前だけで引っ張ってきている。
万が一、別人だった時のため、その資料を見せるわけにはいかないのだ。
クソッ……!どうするっ……!
ここ最近の密輸の実体の解明の切っ掛けを掴み掛けたというのに。
その気持ちばかりが先行していて気付かなかったのだ。
「○○○○。性別は男。年齢32才。歌舞伎町□□ー□□にて独り暮らし……」
「「「!?」」」
3人共が驚いて声のした方を向く。
「此処までは合ってる?」
「誰だ?お前は」
現れた少女を怪訝そうにみる男。
「私はアリス。貴方に用事が有ってきたの」
ニッコリ笑って沖田の隣。
土方が座る予定の椅子に座った。
「おいっ……!」
土方がアリスに何か云おうとするも、沖田がそれを無言で制止した。
「……。」
コクリと頷いて様子を見ることにする土方。