第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「私の分もあったアルか」
「うん。きっと、楽しそうにしてくれると思ったから」
クスクス笑って云った。
「他の人に見られたくないことを書くときには丁度良いから覚えておくと良いよ」
「……でも気付かれなかったら意味無いアル……」
「総くんなら気付くと思うけど」
「っ!」
神楽の顔が真っ赤になる。
もう先程とは違って否定はしなかった。
「……アリスは誰に書くの?」
「治兄だよ」
神楽の頑張りによって出来たミカン汁で、再び文字を書き始めるアリス。
「?そのペンで書いてある手紙も『治兄』宛じゃないノ?」
コテンと首を傾げて問う。
そんな神楽に苦笑して。
「その事でお願いがあるんだけど」
「何ネ?」
アリスが話す内容を少し驚きながら聞いて、コクリと頷いた。
パタパタと此方に向かってくる足音が聞こえる。
アリスははしゃいで眠ってしまった神楽に自分のカーディガンを掛けてから襖の方を見た。
カラッ
「ただい……」
敦が入りながら声を掛けるも、直ぐに口を閉ざした。
「おかえりーあっくん。あ、銀ちゃん」
「ただいまアリスちゃん」
「よぉ、アリスちゃん」
神楽を起こさないように小声で話す。
「あー寒ぃー……おっ!蜜柑!」
「食べて良いよー」
そそくさと蜜柑を食べ始める銀時に釣られて敦も食べ始める。
「神楽ちゃんのお迎え?」
「おー。沖田くんが迎えにきてくれって電話寄越してきてね」
「そっか。で、あっくんの方は掴まえられた?」
「うん。でも中々口を割らないみたいで手子摺ってるみたい」
「なんか色々あってるみたいだけど子供が危険なことに首を突っ込むなんて銀さん感心しないな」
「ははは……」
敦が苦笑する。
「もしかして……何か判ったの?」
「まだ手懸りくらいですけど……」
敦が答える。
「ふーん」
蜜柑を食べ、箱から取ってを繰り返す銀時。